この記事のポイント
- Informed Sport認証は英国LGC社が運営し、WADA禁止物質約250種以上を製品ロットごとに検査する第三者認証プログラムである
- NMN市場では品質のばらつきが深刻で、Amazon上位22製品中64%がNMN含有量1%未満との調査報告がある(ChromaDex 2021)
- Informed Sport認証の取得には、原料・製造工程・最終製品すべての審査が求められ、継続的なロット検査が義務づけられている
- 国内市場においてInformed Sport認証と完全国内生産を両立しているNMN製品は極めて少ない
「Informed Sport認証って何?」「NMNサプリを選ぶとき、どの認証を見ればいいの?」——こうした疑問をお持ちの方は少なくありません。NMNサプリメントは近年急速に市場が拡大していますが、品質にばらつきがあることが複数の調査で指摘されています。そこで注目されているのが、スポーツ領域で長年信頼されてきた「Informed Sport認証」です。本記事では、Informed Sport認証の仕組みや検査内容、NMN業界における取得の難しさ、そして品質を見極めるためのチェックポイントまで、科学的な文献を引用しながらわかりやすく解説します。NMNサプリ選びで「本当に中身が入っているのか」「安全なのか」と不安を感じている方に、具体的な判断基準をお伝えできれば幸いです。
Informed Sport 認証とは?——仕組みと検査の全体像
Informed Sport認証は、英国に本拠を置く分析機関LGC社(Laboratory of the Government Chemist)が運営する、スポーツサプリメント向けの第三者認証プログラムです。LGC社は1842年に設立された歴史ある検査機関で、オリンピックやFIFAをはじめ世界のスポーツ団体からドーピング分析を委託されてきた実績があります。
Informed Sport認証の最大の特徴は「ロットごとの検査」にあります。一度だけサンプルを検査して終わりではなく、製造されたロットごとにWADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止物質リストに掲載されている約250種以上の物質が混入していないかをスクリーニングします。検査はISO17025認定ラボで実施され、検出限界はナノグラム(10億分の1グラム)レベルとされています。
さらに、認証取得には製品そのものの検査だけでなく、原料サプライヤーの監査、製造施設の交差汚染リスク評価、品質管理体制の文書審査など、サプライチェーン全体の精査が求められます。つまり、「最終製品がたまたまクリーンだった」だけでは認証を得られず、原料の入口から製品の出口まで一貫した品質管理が証明される必要があるのです。
一般的な「自社検査済み」や「第三者機関で分析済み」といった表示と異なり、Informed Sport認証は継続的な監視と公開データベースへの登録が義務づけられています。消費者はLGC社の公式サイトで認証製品を検索・確認できるため、透明性の高い仕組みといえます。プロアスリートが安心して使用できる水準の検査を、一般消費者も品質判断の基準として活用できる点が、この認証の大きな意義です。
参考文献
LGC Group, Informed Sport Programme Documentation, 2023 - Informed Sport認証はISO17025認定ラボにおいてWADA禁止物質約250種以上をロットごとにスクリーニングし、サプライチェーン全体の監査を行うプログラムであると公表されている
なぜNMNサプリに Informed Sport 認証が重要なのか——市場の品質問題
NMNサプリメント市場は急成長を遂げていますが、その一方で品質に関する深刻な課題が複数の調査で明らかにされています。2021年にChromaDex社が実施した調査では、Amazon上位22のNMN製品を分析したところ、ラベル表示どおりのNMN含有量が確認できた製品はわずか14%にとどまり、64%の製品はNMN含有量が1%未満だったと報告されています。つまり、「NMN配合」と記載されていても、実際にはほとんどNMNが含まれていない製品が大半を占めていた可能性があるのです。
さらに2024年に発表されたSandalova et al.の研究(GeroScience誌)では、市販の18種類のNMN製品を分析した結果、ラベル表示との乖離が+28.6%から-100%にまで及び、3製品にはNMNがまったく検出されなかったと報告されています。この「-100%」とは、ラベルにNMN含有と表記しながら実際の含有量がゼロであることを意味します。
このような市場環境において、第三者認証の存在は消費者にとって極めて重要な安全網となります。Informed Sport認証は、禁止物質の不在だけでなく、製造プロセスの信頼性を包括的に検証するため、「表示と中身の一致」に対する間接的な品質保証としても機能します。認証取得のためにはGMP(適正製造規範)準拠の製造環境が前提となり、原料の受入試験から最終製品の出荷判定まで一連のプロセスが文書化されている必要があるからです。
NMN業界でInformed Sport認証を取得している製品はごく少数に限られています。認証取得には相当のコスト・時間・体制整備が必要であり、すべてのメーカーが対応できるわけではありません。だからこそ、認証の有無は品質へのコミットメントを示す一つの指標として位置づけられています。
参考文献
Sandalova et al., GeroScience, 2024 - 市販NMN18製品を分析し、ラベル表示との含有量乖離が+28.6%〜-100%に及び、3製品ではNMNが検出されなかったと報告
Informed Sport 認証の取得プロセス——NMN製品が満たすべき条件
Informed Sport認証を取得するためには、大きく分けて3つのフェーズを経る必要があります。第1フェーズは「施設・プロセス監査」です。製造工場がGMP認証を取得していることが前提となり、LGC社の監査チームが製造環境の交差汚染リスク、原料の受入管理体制、製造記録の保管状況などを現地確認します。この段階で不適合があれば、是正措置が求められます。
第2フェーズは「原料および製品の分析検査」です。最終製品だけでなく、使用される主要原料についてもWADA禁止物質のスクリーニングが実施されます。NMN製品の場合、NMN原料そのものの純度と禁止物質の不在を証明する必要があります。検査にはLC-MS/MS(液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法)などの高感度分析技術が用いられ、微量の汚染物質も検出可能です。
第3フェーズは「継続監視」です。認証は一度取得すれば永続するものではなく、新しい製造ロットが出荷されるたびにサンプルが提出され、毎回検査を受ける必要があります。検査に不合格となった場合、認証は即座に停止されます。この継続的な仕組みが、Informed Sport認証の信頼性を支える根幹です。
NMN製品がこの認証を取得するうえで特に難しいのは、NMNという比較的新しい成分に対する品質基準がまだ業界全体で統一されていない点です。Fukamizu et al.(Scientific Reports, 2022)の研究では、健康成人31名にβ-NMNを1,250mg/日で4週間摂取させた臨床試験において重篤な有害事象が報告されなかったことが示されていますが、こうした安全性データの蓄積もメーカー側に求められる要素の一つです。原料の安定供給体制、ロット間の品質均一性、保管条件の管理なども含め、認証取得には総合的な品質マネジメントが不可欠です。
なお、Informed Sport認証はあくまで禁止物質の不在と製造プロセスの適正性を保証するものであり、成分の機能性を保証するものではない点にも留意が必要です。
参考文献
Fukamizu et al., Scientific Reports, 2022 - 健康成人31名にβ-NMN 1,250mg/日を4週間投与した臨床試験で重篤な有害事象は報告されなかったと発表
NMN Informed Sport 認証と他の品質認証の違い——GMP・ISO・NMN協会認定との比較
NMNサプリメントの品質を判断する際、複数の認証や規格が存在しますが、それぞれカバーする範囲が異なります。正しく理解することで、より適切な製品選びが可能になります。
【GMP認証(適正製造規範)】は、製造施設のハードウェアとプロセスの基準です。原料の受入管理、製造環境の衛生管理、製品の出荷判定基準などが体系化されており、日本では厚生労働省の支援のもと第三者機関(日本健康・栄養食品協会など)が審査を行います。ただし、GMPはあくまで「製造プロセスの適正性」を証明するものであり、最終製品に特定の禁止物質が含まれていないことまでは保証しません。
【ISO22000認証】は、食品安全マネジメントシステムの国際規格です。HACCP(危害分析重要管理点)の考え方を取り入れ、食品安全に関するリスクを体系的に管理する仕組みが整備されていることを証明します。サプリメント製造においても重要な認証ですが、スポーツ分野の禁止物質に特化した検査は含まれていません。
【NMN機能性食品開発協会認定】は、NMNという成分に特化した品質基準を設けた業界団体による認定です。NMN原料の純度基準や表示の正確性などが審査対象となります。NMNに特化しているため、成分固有の品質課題をカバーできる点が強みです。
【Informed Sport認証】は、これらの認証とは異なるレイヤーの検査を提供します。WADA禁止物質約250種以上のスクリーニングをロットごとに実施するという点で、他の認証にはない固有の価値があります。特にスポーツ選手や、より厳格な品質基準を求める消費者にとっては、不可欠な判断材料となります。
2024年に発表されたCritical Reviews in Food Science and Nutrition誌のメタ分析(12研究・被験者513名)では、NMN摂取に関する研究の信頼性において、使用された製品の品質が結果に影響を与える可能性が示唆されています。つまり、品質が確かな製品を選ぶことは、NMNに関する研究知見を自身の健康習慣に取り入れるうえでの前提条件ともいえます。
理想的には、GMP、ISO22000、NMN協会認定、そしてInformed Sport認証が複合的に取得されている製品を選ぶことで、製造プロセス・食品安全・成分品質・禁止物質不在という複数の安全レイヤーをカバーできます。
参考文献
Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 2024 - 12研究・被験者513名のメタ分析において、NMN摂取に関する臨床研究データを体系的に評価し、製品品質が研究結果の信頼性に影響しうることを示唆
NMN Informed Sport 認証製品を選ぶ際の実践チェックリスト
品質の高いNMNサプリメントを選ぶために、具体的にどのようなポイントを確認すればよいのか、実践的なチェックリストをまとめます。
【1. Informed Sport認証の確認方法】LGC社の公式サイト(informedsport.com)にアクセスし、製品名やブランド名で検索することで、認証の有無を直接確認できます。パッケージにInformed Sportのロゴが掲載されているかも目安になりますが、公式データベースでの照合が最も確実です。
【2. NMN原料の種類と純度】NMNにはα型とβ型が存在し、生体内に存在する形態はβ-NMN(ベータ型)として知られています。Grozio et al.(Nature Metabolism, 2019)の研究では、小腸にNMN特異的なトランスポーター(Slc12a8)が存在することが報告されており、NMN研究の多くはβ-NMN原料を用いて行われています。第三者機関による純度証明書(CoA: Certificate of Analysis)が公開されているかを確認しましょう。純度99%以上を一つの目安とする見方があります。
【3. 製造国と製造環境】完全国内生産かどうかは、サプライチェーン全体の管理品質に関わります。原料調達は海外だが充填は国内、あるいはその逆など、工程の一部のみが国内の場合もあります。「原料調達から製造・充填まで」一貫して国内で行われているかどうかを確認することで、品質管理の一貫性をより正確に判断できます。
【4. カプセルの種類】NMNは胃酸の影響を受ける可能性が指摘されており、耐酸性カプセル(HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の採用は、成分を腸まで届けるための工夫として注目されています。
【5. 摂取量と臨床研究との整合性】Yoshino et al.(Science, 2021)の研究では閉経後女性25名に250mg/日を10週間投与する設計が用いられ、Yamaguchi et al.(GeroScience, 2024)の研究では65〜75歳の高齢者に250mg/日を12週間投与する設計が用いられています。ご自身の摂取量を決める際は、こうした臨床研究で用いられた用量を参考にしつつ、かかりつけの医師にご相談ください。
【6. 複数認証の重複】前セクションで述べたとおり、GMP、ISO22000、NMN協会認定、Informed Sport認証を複合的に取得している製品は、多層的な品質保証がなされていると判断できます。一つの認証だけに頼るのではなく、複数の視点から品質を確認する姿勢が大切です。
参考文献
Grozio et al., Nature Metabolism, 2019 - マウスの小腸においてNMN特異的トランスポーターSlc12a8を同定し、NMNが直接腸管から吸収される経路の存在を報告
NMNの安全性研究と品質認証の関係——信頼できるデータに基づく判断
NMNサプリメントを日々の健康習慣に取り入れるうえで、安全性に関する科学的知見を把握しておくことは重要です。品質認証は安全性を直接的に証明するものではありませんが、信頼できる臨床研究で使用されるレベルの品質基準を一般消費者にも開かれた形で提供する役割を果たしています。
Fukamizu et al.(Scientific Reports, 2022)は、健康成人31名を対象にβ-NMNを1,250mg/日で4週間にわたって摂取する試験を実施し、重篤な有害事象は認められなかったと報告しています。この研究は比較的高用量での安全性データを提供するものとして引用されることが多い論文です。
Yoshino et al.(Science, 2021)による研究では、閉経後の過体重または肥満の女性25名を対象に250mg/日のNMNを10週間投与するランダム化比較試験(RCT)が行われました。この研究でもNMN摂取に伴う重大な安全性上の懸念は報告されていません。
また、Yang et al.(Food Frontiers, 2025)の総説論文では、NMNとNR(ニコチンアミドリボシド)の前臨床・臨床データを包括的に比較レビューし、両物質ともにNAD+の前駆体として研究が進んでいる一方で、製品品質のばらつきが研究結果の解釈を難しくしている課題を指摘しています。
こうした研究結果を踏まえると、品質が確認された製品を用いることの重要性が浮かび上がります。臨床研究で用いられる製品は厳密な品質管理のもとで製造されていますが、市販品がすべて同じ水準であるとは限りません。Informed Sport認証のような第三者認証は、市販品と研究用製品の品質ギャップを埋めるための一つの手段として機能しています。
サプリメントは医薬品ではなく食品の区分に位置づけられるため、特定の機能を保証するものではありません。しかし、品質が一定水準に保たれている製品を選ぶことは、健康維持をサポートする習慣の基盤として合理的な判断といえるでしょう。摂取のタイミングについては、朝食時に摂る方が生活リズムに組み込みやすいという声がありますが、食事と一緒に摂ることで胃への負担を軽減できるとする考え方もあります。いずれにしても、個人差がありますので、ご自身の体調を観察しながら無理のない形で続けることが大切です。
参考文献
Yoshino et al., Science, 2021 - 閉経後の過体重・肥満女性25名を対象に250mg/日のNMNを10週間投与するRCTを実施し、安全性上の重大な懸念は報告されなかった
SOPHIA Lab「NMN 9000」は、国内市場でInformed Sport認証と完全国内生産(原料調達から製造・充填まで)を組み合わせた数少ないNMN製品の一つです。GMP認証工場・ISO22000認証に加え、NMN機能性食品開発協会認定も取得しており、本記事で解説した複数の品質レイヤーを満たす設計となっています。
よくある質問
NMNサプリメントをお探しの方へ
SOPHIA Lab NMN 9000 の詳細はこちら※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、かかりつけの医師にご相談ください。
※当サイトはSOPHIA Lab公式サイトです。記事内で紹介する製品はSOPHIA Lab製品です。

