この記事のポイント
- NMNの純度とは原料中のNMN含有比率を指し、99%以上が高品質の一つの目安とされている
- 市販NMN製品18種を分析した研究では、ラベル表示量との乖離が+28.6%〜-100%に及び、3製品はNMNがゼロだったと報告されている(Sandalova et al., 2024)
- 純度だけでなく、β型(β-NMN)であるか、不純物プロファイルが安全基準を満たしているかも重要な品質判断基準となる
- 第三者機関の分析証明書(CoA)やInformed Sport認証など、客観的な品質証明の有無が製品選びの重要な手がかりとなる
「NMNの純度99%って、いったい何を意味しているの?」——NMNサプリメントを選ぶとき、多くの方がこの疑問を感じるのではないでしょうか。純度はNMN製品の品質を語るうえで欠かせない指標ですが、その数字が具体的に何を測っているのか、そしてなぜ重要なのかは意外と知られていません。さらに近年の研究では、市販NMN製品の品質にはばらつきがあることも明らかになっています。本記事では、NMNの純度が示す意味、測定方法、純度以外にチェックすべき品質項目、そして信頼できる製品を見極めるための具体的なポイントまで、最新の学術文献をもとにわかりやすく解説します。NMN選びで後悔しないための知識を、ここでしっかり身につけていただければ幸いです。
NMN の純度とは何を意味するのか|基本の定義
NMNの「純度」とは、原料粉末や製品カプセルの中に含まれるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の質量比率を百分率で示した数値です。たとえば「純度99%」であれば、100gの原料中に99gがNMNであり、残り1gがそれ以外の成分(水分、微量の副生成物、残留溶媒など)であることを意味します。
ここで理解しておきたいのは、「純度」と「含有量」は別の概念だという点です。純度はあくまで原料の質を表す指標であり、1粒あたりに何mgのNMNが入っているかという「含有量」とは異なります。たとえば純度99%の原料を150mg使用したカプセルと、純度80%の原料を150mg使用したカプセルでは、実際に体に届くNMNの量は約148.5mgと120mgで大きな差が生じます。
また、NMNにはα型とβ型の二つの立体異性体(分子の構造が鏡像のように異なるもの)が存在します。生体内で利用されるのはβ型(β-NMN)であるとされており、純度の数字だけでなく、β型であるかどうかも品質評価には重要です。Grozio et al.(2019)がNature Metabolism誌で報告した研究では、小腸にNMN特異的な輸送体(Slc12a8)が存在することが示されていますが、この輸送体はβ-NMNを基質としています。つまり、高純度であってもα型が多く含まれていれば、体内での利用は期待通りにならない可能性があるわけです。
純度の表記は製造者の自己申告に基づく場合もあるため、後述する第三者機関の分析証明書(Certificate of Analysis: CoA)による裏付けがあるかどうかが、数字の信頼性を左右する大きなポイントとなります。
参考文献
Grozio et al., Nature Metabolism, 2019 - 小腸にNMN特異的トランスポーターSlc12a8が存在し、NMNが直接的に取り込まれる経路があることを発見した研究
市販NMN製品の純度問題|研究が示すラベルと中身の乖離
NMNの純度がなぜここまで注目されるのか。その背景には、市販製品のラベル表示と実際の含有量との間に深刻な乖離が存在するという研究報告があります。
2024年にSandalova et al.がGeroScience誌に発表した研究では、市場で入手可能なNMN製品18種を第三者機関で分析した結果、ラベル表示量との乖離が+28.6%(表示より多い)から-100%(NMNがまったく検出されない)まで幅広く分布していたと報告されています。特に衝撃的なのは、18製品中3製品からNMNがゼロだった、つまりNMNと謳いながら実質的にNMNが含まれていなかったという事実です。
この問題は単発の報告ではありません。2021年にChromaDex社がAmazonで販売されていた上位22のNMN製品を調査した結果でも、ラベル通りのNMN量を含んでいたのはわずか14%に過ぎず、64%の製品はNMN含有量が1%未満だったとされています。すなわち、オンラインで手軽に購入できるNMN製品の大半が、純度あるいは含有量に関して消費者の期待を裏切っている可能性があるということです。
こうした乖離が生じる原因は複数考えられます。第一に、安価な原料の使用です。NMNの製造には酵素法や化学合成法などがあり、製法によって純度やコストが大きく異なります。第二に、品質管理体制の不備です。GMP(適正製造規範)認証を取得していない工場では、ロットごとの含有量にばらつきが出やすくなります。第三に、保管・流通段階での劣化です。NMNは温度や湿度の影響を受けやすい成分であり、適切な保管がなされなければ純度は低下する可能性があります。
これらの研究結果は、「純度○○%」という数字そのものよりも、その数字がどの機関によって、どのような方法で検証されたかが極めて重要であることを示唆しています。
参考文献
Sandalova et al., GeroScience, 2024 - 市販NMN製品18種の分析で、ラベル表示量との乖離が+28.6%〜-100%に及び、3製品からはNMNが検出されなかったと報告
NMNの純度を測定する方法|HPLC分析と第三者認証の仕組み
NMNの純度はどのように測定されるのでしょうか。最も一般的かつ信頼性の高い方法がHPLC(High Performance Liquid Chromatography:高速液体クロマトグラフィー)です。HPLCとは、液体の中に溶かしたサンプルをカラムと呼ばれる管に通し、成分ごとに分離・定量する分析装置です。NMNとその他の成分(ニコチンアミド、ニコチンアミドリボシドなどの関連物質や不純物)を精密に分けることができるため、NMNの正確な含有比率を算出できます。
HPLC以外にも、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)が用いられることがあります。LC-MSはHPLCに質量分析を組み合わせた手法で、微量成分の同定や不純物の構造特定に優れています。Yang et al.(2025)がFood Frontiers誌に発表したNMNとNR(ニコチンアミドリボシド)の比較レビューでも、品質評価にはHPLCおよびLC-MSによる分析が標準的な手法として挙げられています。
重要なのは、これらの分析を「誰が」行ったかです。製造者自身が自社内で分析した結果と、利害関係のない第三者機関が独立して分析した結果では、客観性に大きな差があります。信頼できる製品は、第三者機関が発行した分析証明書(CoA:Certificate of Analysis)を公開しているのが一般的です。CoAには通常、製品のロット番号、分析日、分析方法、NMN含有量、不純物の検出結果、重金属や微生物の検査結果などが記載されています。
さらに踏み込んだ品質証明として、スポーツサプリメントの国際認証であるInformed Sport認証があります。この認証はLGC社(英国)が運営し、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止物質リストに基づく検査を全ロットに対して行うものです。NMN業界でこの認証を取得している製品はまだ極めて少数ですが、禁止物質の混入がないことを第三者が保証するという点で、純度と安全性の両面で高い信頼性を示す指標と言えます。
消費者としては、①CoAが公開されているか、②分析機関が独立した第三者であるか、③GMP認証工場で製造されているか、という3点を確認することが、純度の信頼性を判断する実践的な方法です。
参考文献
Yang et al., Food Frontiers, 2025 - NMNとNRの前臨床・臨床データの包括的比較レビューで、品質評価手法としてHPLC・LC-MS分析の重要性を言及
純度だけでは不十分?NMN選びで見るべき品質指標の全体像
NMNの純度は重要な品質指標ですが、それだけで製品の良し悪しを判断するのは十分とは言えません。ここでは、純度と合わせて確認すべき品質指標を整理します。
【1. β型かα型か】前述の通り、生体で利用されるのはβ-NMNです。原料がβ-NMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)であることが明記されているかを確認しましょう。Fukamizu et al.(2022)がScientific Reports誌に発表した安全性研究では、β-NMNを1日1,250mgの用量で4週間摂取した場合でも重篤な有害事象は報告されなかったとされており、β-NMNの安全性に関する知見が蓄積されています。
【2. 不純物プロファイル】純度が99%であっても、残りの1%に何が含まれているかは重要です。NMNの製造工程で生じうる不純物には、ニコチンアミド(NAM)、ニコチン酸、残留溶媒、重金属(鉛、ヒ素、カドミウム、水銀)などがあります。信頼できるCoAには、これらの不純物の検出値と安全基準値が併記されています。
【3. 製造環境の認証】GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)認証は、製造工程が一定の品質基準を満たしていることの証明です。さらにISO22000は食品安全マネジメントシステムの国際規格で、原料の受け入れから製品出荷まで一貫した安全管理が行われていることを意味します。
【4. カプセルの設計】NMNは胃酸の影響を受ける可能性が指摘されています。耐酸性カプセル(腸溶性カプセル)やHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルなど、胃での分解を考慮した設計がされているかも確認したいポイントです。
【5. 含有量の正確性】2024年にCritical Reviews in Food Science and Nutrition誌に掲載された12研究・513名のメタ分析では、臨床試験で使用されたNMN用量は主に250mg〜1,250mg/日の範囲でした。製品に記載された含有量が第三者検査で裏付けられているかどうかは、適切な摂取量を管理するうえで不可欠な情報です。
【6. 原産国と製造国】原料の調達先と最終製品の製造・充填を行う国が明示されているかも重要です。サプライチェーンが不透明な製品では、途中段階での品質劣化や異物混入のリスクが高まります。原料調達から製造・充填まで一貫して管理されている製品は、トレーサビリティ(追跡可能性)の面で優れていると言えます。
参考文献
Fukamizu et al., Scientific Reports, 2022 - 健康成人31名を対象にβ-NMN 1,250mg/日を4週間摂取した安全性試験で、重篤な有害事象は報告されなかった
NMNの臨床研究における純度の重要性|研究グレードと市販品の違い
NMNに関する臨床研究で使用される原料は、一般に「研究グレード」と呼ばれる高純度品です。研究結果を正しく解釈するためにも、そしてサプリメント選びに応用するためにも、研究で使われたNMNの品質と市販品の品質がどう異なりうるかを理解しておくことは有意義です。
Yoshino et al.(2021)がScience誌に発表した研究は、閉経後の過体重・肥満女性25名を対象に、250mg/日のNMNを10週間にわたって摂取する二重盲検プラセボ対照試験として実施されました。この研究で使用されたNMNは純度が厳密に管理された研究グレード品であり、不純物分析も詳細に行われています。こうした厳格な品質管理があるからこそ、観察された結果がNMN由来であると科学的に議論できるわけです。
また、Yamaguchi et al.(2024)がGeroScience誌に報告した65〜75歳の高齢者を対象とした12週間のランダム化比較試験(RCT)でも、250mg/日のNMNが使用されており、原料品質は論文中で明記されています。このように、質の高い臨床研究では原料の純度と出所が透明に報告されることが標準的です。
ここで問題になるのは、市販のサプリメントが同等の品質を保っているかどうかです。前述のSandalova et al.(2024)やChromaDex(2021)の調査結果が示す通り、市販品の中にはNMN含有量がラベル表示と大きく異なるものが少なくありません。研究で得られた知見を自分の健康管理に取り入れたいと考える場合、研究で使われたのと同等の品質が担保された製品を選ぶことが論理的な第一歩となります。
具体的には、(1)純度99%以上が第三者機関で証明されていること、(2)β-NMN原料であること、(3)GMP認証工場で製造されていること、(4)ロットごとの分析が行われていること——これらの条件を満たす製品は、研究グレードに近い品質水準にあると考えてよいでしょう。
加えて、摂取タイミングについても触れておきます。現時点でNMNの最適な摂取タイミングについて明確なコンセンサスはありませんが、多くの臨床研究では朝食前または朝食時の摂取が採用されています。日常的に取り入れる場合は、毎日同じ時間帯に摂取する習慣をつけることが継続のコツと言えるかもしれません。
参考文献
Yoshino et al., Science, 2021 - 閉経後の過体重・肥満女性25名を対象にNMN 250mg/日を10週間摂取する二重盲検プラセボ対照試験を実施
信頼できるNMNを選ぶための実践チェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、NMNサプリメントを選ぶ際に確認すべきポイントを実践的なチェックリストとしてまとめます。購入前にこの項目を一つずつ確認するだけで、品質リスクを大幅に減らすことができるでしょう。
■ チェック1:純度の数値と根拠
「純度99%」などの表記があるか、そしてその根拠として第三者機関のCoA(分析証明書)が公開されているかを確認します。CoAが非公開の製品は、純度表記の信頼性を検証する手段がないため注意が必要です。
■ チェック2:β-NMN原料の明記
成分表示に「β-NMN」「β-ニコチンアミドモノヌクレオチド」と記載されているかを確認します。単に「NMN」とだけ書かれている場合、α型が含まれている可能性を排除できません。
■ チェック3:製造工場の認証
GMP認証(日本国内の場合は公益財団法人日本健康・栄養食品協会等が認定)やISO22000認証を取得した工場で製造されているかを確認します。
■ チェック4:第三者認証の有無
Informed Sport認証やNMN機能性食品開発協会認定など、独立した第三者機関による品質認証があるかを確認します。特にInformed Sport認証は、禁止物質の混入がないことをロットごとに検査するため、安全性への信頼度が高いとされています。
■ チェック5:製造国と原料の一貫管理
原料の調達地、製造工場の所在地、最終充填の場所が明示されているかを確認します。サプライチェーン全体が一つの国内で完結している場合、輸送中の品質劣化リスクや管理基準の不統一といった問題が軽減されます。
■ チェック6:1粒あたりの含有量と1日推奨量
臨床研究では主に250mg/日が用いられています。製品の1粒あたりの含有量と推奨摂取量を確認し、研究で用いられた範囲と照らし合わせてみましょう。
■ チェック7:カプセルの素材
耐酸性のHPMCカプセルやDRcaps®など、胃酸への耐性を考慮した設計がされているかも、特にNMNの安定性を重視する方にはチェックしていただきたいポイントです。
これら7つの項目すべてを満たす製品は決して多くありません。しかし、一つでも多くの条件を満たす製品を選ぶことが、限られた情報の中で最善の判断をする方法だと考えられます。
参考文献
ChromaDex, 2021 - Amazon上位22NMN製品の第三者分析で、ラベル通りのNMN含有量を示したのはわずか14%、64%はNMN含有量が1%未満だったと報告
SOPHIA Lab の NMN 9000 は、β-NMN原料・純度99.9%以上を第三者機関の分析で証明しており、国内GMP認証工場およびISO22000認証のもと、原料調達から製造・充填まで完全国内生産で一貫管理されています。NMN業界では極めて少数のInformed Sport認証も取得しており、本記事でご紹介した品質チェックリストの各項目に対応した設計となっています。
よくある質問
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