この記事のポイント
- すべての生きた細胞に存在し、500種類以上の酵素反応に関与する補酵素
- 年齢とともに体内レベルが低下し、50歳頃には若年期の約半分まで低下
- NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は体内でNAD+に変換される前駆体として注目
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、生命活動に欠かせない重要な分子として近年注目を集めています。私たちの体内で様々な重要な役割を果たしていますが、年齢とともにその量が低下することが研究で明らかになっており、健康維持やウェルエイジングの観点から多くの研究が進められています。
NAD+とは何か
NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、すべての生きた細胞に存在する補酵素と呼ばれる分子です。補酵素とは、酵素の働きを助ける役割を持つ物質のことで、NAD+は体内で500種類以上もの酵素反応に関与していると報告されています。主な役割として、食べ物から得たエネルギーをATP(細胞のエネルギー通貨)に変換するエネルギー代謝や、DNA修復、細胞の維持機能などに深く関わっていることが知られています。
参考文献
体内で500種類以上の酵素反応に関与することが研究で報告されています
NAD+の年齢による変化
多くの研究により、NAD+の体内レベルは年齢とともに低下することが明らかになっています。若年期を100%とした場合、30代で約85%、40代で約70%、50代では約50%まで低下すると報告されています。この年齢に伴う変化は自然な現象ですが、健康維持やウェルエイジングに関心を持つ方々にとって重要な要素として注目されています。NAD+レベルの変化に関する研究は世界中で活発に行われており、その仕組みの解明が進んでいます。
参考文献
年齢とともにNAD+レベルが低下することが複数の研究で報告されています
NAD+とNMNの関係
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、体内でNAD+の前駆体として知られている化合物です。前駆体とは、目的の物質になる前の段階の物質を指します。NMNは体内の代謝経路を通じてNAD+の材料となることから、近年健康維持をサポートする成分として研究が進んでいます。Grozio et al., Nature Metabolism, 2019の研究では、小腸にNMN特異的なトランスポーターが発見されるなど、その取り込み機構についても詳しく解明されています。
参考文献
Grozio et al., Nature Metabolism, 2019でNMN特異的トランスポーターSlc12a8が発見されました
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