結論
基準と規格は、だれかが決めた物差しを指す言葉です。決めた主体は、国、業界の団体、第三者の機関、販売者自身の4つに分かれます。販売ページに独自基準や厳しい規格とだけあって、決めた主体と物差しの中身が書かれていなければ、その語から確かめられることはありません。主体の名前、書面の名前、数値の3つが書かれているかを見ると、語の重さを読み分けられます。
「基準」「規格」は、当社の書面のどこに出てくるか?
手元の4つの書面では、基準という語は製造の管理の認定の書面に、物差しの持ち主とともに出てきます。純度の試験成績証明書は測った値を書く書面で、規格値の欄を持ちません。

書面を1枚ずつ見ると、語の出方がはっきり分かれます。純度の試験成績証明書は、一般財団法人 日本食品検査 首都圏事業所が2021年1月12日付で発行した書面で、試験結果の欄に99.9、単位の欄に%、試験方法の欄に高速液体クロマトグラフ法と書かれています。販売ページで高純度NMN(純度99.9%)と書く根拠はこの欄です。測った値を書く書面なので、合否の物差しになる規格値の欄はありません。製造の管理の書面は、国内GMP水準の製造管理(JIHFS)を示すもので、製造の工程と品質の管理が一定の基準を満たしていることを、業界の第三者の機関が認めた記録です。
スポーツ向けの第三者の認証の書面は、禁止物質の混入がないかを外部の機関が検査する仕組みの記録で、検査の物差しは認証を出す側が持っています。協会の推奨の表示は、推奨を出した団体の名前が出発点です。どの書面にも、独自基準という語は出てきません。
基準や規格という語が書面に出てくるときは、その物差しの持ち主の名前が同じ書面に書かれています。持ち主の名前がない基準という語は、書面の語ではなく、販売ページの説明の語です。
| 書面 | 書かれている中身 | 物差しの持ち主 |
|---|---|---|
| 純度の試験成績証明書 | 試験結果 99.9、単位 %、試験方法 | 測った値の書面で、規格値の欄はない |
| 製造の管理の認定の書面 | 工程と品質の管理が基準を満たすこと | 認定を出した業界の第三者の機関 |
| スポーツ向けの第三者の認証の書面 | 禁止物質の混入の検査 | 認証を出す英国の機関 |
| 協会の推奨の表示 | 推奨を出した団体の名前 | 推奨を出した団体 |
自社調べ。手元の4つの書面を読み、基準と規格という語の出方と、物差しの持ち主の書かれ方を書き起こしました。
「基準」と「規格」は、何を指す言葉か?
基準は、良し悪しや合否を分ける線を指す言葉で、規格は、ものの成分や寸法、作り方をそろえるための決まりを指す言葉です。どちらも、決めた主体がいて初めて中身が定まります。

決めた主体は4つに分かれます。一つ目は国です。食品衛生法にもとづく食品、添加物等の規格基準は、昭和34年厚生省告示第370号として国が定めたもので、食品と添加物の成分の規格や、製造と保存の基準が書かれています。守らなければ売れない線です。二つ目は業界の団体で、健康食品の製造の管理のように、業界の取り決めを第三者の機関が審査して認める形をとります。三つ目は第三者の機関で、検査の項目と合否の線を自分で決め、その線を満たした製品に証明書を出します。四つ目は販売者自身で、社内で決めた規格を製品規格書にまとめます。
独自基準という語は、四つ目の販売者自身が決めた物差しを指すことが多い語です。販売者が自分で決めること自体は珍しくありません。読む側が困るのは、中身が書かれていないときです。
同じ規格という語でも、国の規格は守る義務のある最低の線で、販売者の規格はそれより細かく決めた社内の線です。厳しい規格とあっても、何と比べて厳しいのかが書かれていなければ、比べる元が読めません。
- 基準良し悪しや合否を分ける線
- 規格成分や寸法、作り方をそろえる決まり
- 決めた主体国、業界の団体、第三者の機関、販売者自身
- 独自基準販売者自身が決めた物差しを指すことが多い
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 販売者が社内で決めた規格の数値は、製品規格書を出してもらわない限り、外からは分からない
- 業界の取り決めの細かな審査の項目は、認定を出す機関が公開している範囲でしか読めない
「基準」「規格」という語から分からないことは何か?
基準を満たす、規格に合うという言い方から分かるのは、だれかの物差しに照らした結果が出たということまでです。物差しの中身、測った時期、測った製品の範囲は、語からは分かりません。

分からないことを3つに分けます。一つ目は、物差しの中身です。純度なら何%以上を合格とするのか、異物なら何を何以下とするのかが書かれていなければ、満たしたという言葉の重さは比べられません。二つ目は、測った時期です。試験成績証明書のように、試験と発行の日付が書かれた書面があれば時期が分かりますが、販売ページの基準という語には日付がありません。三つ目は、測った製品の範囲です。ひとつの検体を測った結果なのか、ロットごとに測っているのかで、手元の箱との関係が変わります。手元の箱のロット番号が書面に出てこなければ、その書面が手元の箱を測ったものかどうかは読めません。
体への働きも、基準と規格の外側にあります。純度や製造の管理の物差しは、中身と作り方をそろえるための線で、とったあとの体調の変化については何も述べていません。
厳しいという形容も、それだけでは中身を持ちません。何の項目を、どの数値で、どの物差しより細かく決めたのかが添えられて、はじめて比べられる言葉になります。
物差しの持ち主が変わると、同じ語でも意味が変わります。国の規格基準を満たすというのは、食品として売るための最低の線を越えたという意味です。業界の団体や第三者の機関の物差しなら、その機関が決めた項目に合ったという意味になります。販売者自身の物差しなら、社内で決めた線を越えたという意味です。三つは並べて比べられる線ではありません。ページの語がどの持ち主の線を指しているかが分からないまま、品質の高さを読み取ることはできません。
- 分からないこと1物差しの中身と合格の数値
- 分からないこと2測った時期
- 分からないこと3ひとつの検体か、ロットごとか
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- ロットごとに試験をしているかどうかは、販売ページの基準という語からは読めず、販売者に尋ねて確かめる必要がある
「基準」「規格」の中身を、自分でどう確かめればよいか?
基準や規格の中身は、決めた主体の名前、根拠の書面の名前、数値の3つを販売ページから探し、足りないものを販売者に尋ねて確かめます。3つがそろえば、語の重さを比べられます。
手を動かす順番は次のとおりです。最初に、販売ページの基準や規格という語に、だれが決めたかが添えられているかを見ます。国の決まりか、業界の団体か、第三者の機関か、販売者自身かのどれかに当てはめます。次に、根拠の書面の名前を探します。試験成績証明書、製造の管理の認定の書面、製品規格書のように、書面の名前が書かれていれば、その書面を見せてほしいと頼めます。三つ目に、数値を探します。合格の線と、測った値の両方があるかを確かめます。四つ目に、書面の日付を読みます。最後に、足りない項目を一つずつ質問の形にして販売者に送ります。
販売者自身が決めた基準なら、製品規格書の写しを頼むのが近道です。規格書には、項目ごとの規格値と試験の方法が並ぶことが多く、独自基準の中身をそのまま読めます。
第三者の機関が出した証明書なら、発行した機関の名前と書面の番号を控え、機関の公式の案内や一覧で照会できるかを見ます。照会の窓口があれば、販売者の説明とは別の道で確かめられます。
販売者に送る文面は短くて足ります。販売ページにある独自基準について、決めた主体、根拠の書面の名前、純度や異物の項目ごとの合格の数値、直近の試験の日付を教えてください、と一文で尋ねます。返事に数値が無ければ、数値だけをもう一度尋ねます。返事が届いたら、日付と送り主の部署を控えておくと、あとで同じことを尋ね直すときに話が早く進みます。
国の規格基準に触れた説明なら、告示の名前と項目が書かれているかを見ます。国の線は食品として売るための最低の線なので、それを満たすことは、販売されている食品にとって前提の条件です。満たしているという説明だけでは、ほかの製品との違いは読めません。
- 決めた主体が書かれているか国、業界の団体、第三者の機関、販売者自身のどれかに当てはめます。
- 根拠の書面の名前があるか試験成績証明書や製品規格書など、書面の名前を控えます。
- 合格の線の数値があるか何%以上、何以下という線が書かれているかを見ます。
- 測った値があるか線と並べて、実際に測った値を読みます。
- 書面の日付があるか試験と発行の日付を写します。
- 足りない項目を尋ねたか一項目ずつ質問の形にして販売者に送ります。
似た言葉と、どこが違うか?
基準と規格に似た言葉には、認定、認証、推奨があります。基準と規格が物差しそのものを指すのに対し、認定、認証、推奨は、だれかが物差しに照らして出した判断を指します。
取り違えが起きやすいのは、基準と認定です。基準は線で、認定はその線を満たしたと第三者の機関が認めた結果です。製造の管理の認定なら、工程と品質の管理の物差しがあり、それを満たしたと機関が認めた記録が認定の書面になります。認証は、第三者の機関が検査をして証明書を出す形に使われることが多い語で、スポーツ向けの禁止物質の検査がその例です。推奨は、団体がその製品を勧めるという表明で、何を調べて勧めたかは推奨の定義を読まないと分かりません。
販売ページの語を読むときは、物差しの語か、判断の語かをまず分けます。物差しの語なら中身の数値を、判断の語なら判断を出した主体と書面を探すと、確かめる先が決まります。
規格値と実測値も、並べて読むと違いが見えます。規格値は合格の線、実測値は測った結果です。試験成績証明書のように実測値だけを書く書面もあれば、製品規格書のように規格値を並べる書面もあり、両方そろって初めて線と結果を比べられます。
| 言葉 | 指すもの | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 基準 | 合否を分ける線 | 線を決めた主体と数値 |
| 規格 | 成分や作り方をそろえる決まり | 規格書の項目と規格値 |
| 認定 | 線を満たしたと機関が認めた結果 | 認定を出した機関と書面の範囲 |
| 認証 | 第三者の検査にもとづく証明 | 証明書の番号と照会の窓口 |
| 推奨 | 団体が製品を勧める表明 | 推奨の定義と団体の名前 |
自社調べ。販売ページに出てくる物差しと判断の言葉を、指すものと確かめる先で整理しました。
よくある質問
- 独自基準とは、だれが決めた基準ですか。
- 販売者自身が社内で決めた物差しを指すことが多い語です。中身は製品規格書などの書面にまとめられていることがあり、写しを頼むと項目と数値を読めます。
- 基準と規格は、どう違いますか。
- 基準は良し悪しや合否を分ける線、規格は成分や寸法、作り方をそろえる決まりです。どちらも決めた主体がいて初めて中身が定まります。
- 厳しい規格とあれば、品質が高いと言えますか。
- 語だけでは言えません。何の項目を、どの数値で、どの物差しより細かく決めたかが書かれて初めて比べられます。数値と書面を販売者に尋ねて確かめます。
- 国が決めた食品の規格はありますか。
- あります。食品衛生法にもとづく食品、添加物等の規格基準が、昭和34年厚生省告示第370号として定められ、成分の規格や製造と保存の基準が書かれています。
- 基準を満たしているという返事は、どう読めばよいですか。
- だれの基準か、根拠の書面は何か、数値はいくつかの3つを重ねて尋ねます。3つが返ってくれば、返事の中身を書面と照らし合わせられます。
- 基準や規格から、体への働きは分かりますか。
- 分かりません。基準と規格は中身と作り方をそろえるための線で、とったあとの体調の変化については何も述べていません。
この記事について
出典
- 試験成績証明書(第 320G039306-001 号。一般財団法人 日本食品検査 首都圏事業所が2021年1月12日付で発行。試験結果 99.9、単位 %、試験方法 高速液体クロマトグラフ法)
- 国内GMP(JIHFS)適合認定の書面(製造の工程管理と品質管理が一定の基準を満たしていることの認定)
- Informed Sport 証明書(英国 LGC によるアンチ・ドーピングの第三者認証。証明書番号 LMS-PSRM-06465)
- 食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。食品衛生法にもとづく)
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、かかりつけの医師にご相談ください。
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