結論
問題になりやすい表現は、大きく4つの型に分かれます。身体の変化を言い切る型、体験の形で言わせる型、出どころのない数字を出す型、小さな注記で本文を打ち消す型です。型で覚えると、語句を暗記しなくても見分けられます。
健康食品の広告で問題になりやすいのは、どういう型か?
問題になりやすい表現は4つの型に整理できます。語句を覚えるのではなく、書き方の型で覚えるのが実用的です。それぞれについて、何が問題とされるのかと、買う側からの見分け方を並べます。

この記事には、実際に問題となった表現の文言そのものを載せていません。理由は2つあります。ひとつは、違反とされた表現を引用の形で再掲すること自体が、その表現を広めることになるためです。もうひとつは、同じ語句でも文脈によって判断が変わるため、語句を並べた一覧は、かえって「この語句さえ避ければよい」という誤った安心につながるためです。実際の判断は、表示全体が消費者にどのような印象を与えるかで行われます。そこで本記事では、語句ではなく型で整理しています。型で理解しておけば、見たことのない表現に出会っても同じ判断ができます。
| 型 | どういう書き方か | 何が問題とされるか | 買う側の見分け方 |
|---|---|---|---|
| 身体の変化を言い切る型 | 食品であるのに、身体の状態が特定の方向に変わると読める書き方をする | 食品に医薬品のような働きがあるかのように示す表示にあたりうる | 身体の状態について言い切っている文があるかを探す。あれば、その根拠の記載を確認する |
| 体験の形で言わせる型 | 利用者の声や体験談という形式で、本文では書けない身体の変化を語らせる | 本文で書けないことを形式を変えて示しても、表示全体の印象で判断される | 声の欄だけ表現が強くなっていないかを見る。本文と声で言っていることが違えば注意する |
| 出どころのない数字を出す型 | 割合や人数を示すが、調査の対象・時期・実施主体が書かれていない | 根拠のない数字は、合理的な根拠がある表示とは言えない | 数字のそばに、いつ・誰が・何人に対して行ったのかが書かれているかを見る |
| 注記で打ち消す型 | 本文では強い印象を与える書き方をし、小さな注記でその意味を限定する | 注記が小さく離れている場合、打ち消しとして機能しないと判断されうる | 本文と注記を並べて読み、注記を読まなかったときの印象と違いがあるかを確認する |
※本表は公表されている行政の考え方をもとに当社が整理したものです(自社調べ)。個別の表示が問題となるかどうかは、表示全体の印象や文脈によって判断されます。
なぜ、語句ではなく型で判断されるのか?
判断の基準が、語句そのものではなく、表示全体から受ける印象に置かれているからです。同じ語句でも、置かれ方によって結論が変わります。
健康食品の表示には、複数の法令が重なって関わっています。食品に医薬品のような働きがあるかのように示すことを制限するもの、実際よりも著しく良いと誤認させる表示を制限するもの、健康の保持増進に関する表示について合理的な根拠を求めるものなどです。いずれも、特定の語句を一覧にして禁止しているのではなく、その表示が消費者にどう受け取られるかを見て判断する構造になっています。だからこそ、禁止語句のリストを回避するだけでは足りませんし、逆に、ある語句が使われているからといって直ちに問題になるわけでもありません。判断は常に、表示全体を見て行われます。
この構造は、書く側にとっては面倒に見えますが、買う側にとっては使いやすい性質を持っています。語句を覚える必要がなく、「この書き方は、根拠のないことを言い切っていないか」という一つの問いで見られるからです。上の4つの型は、その問いを具体的な観察点に置き換えたものです。
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 個別の表示が法令上どう扱われるかは、表示全体や取引の実態によって判断されます。本記事は一般的な考え方の整理であり、個別事案についての判断を示すものではありません。
- 制度と運用は変わることがあります。実務上の判断が必要な場合は、所管する行政機関の最新の公表内容をご確認ください。
- 本記事は表示の読み方についての記事であり、成分や摂取に関する評価は扱いません。
広告を見たとき、どこから確認すればよいか?
確認は、いちばん強い1文を探すところから始めます。その1文に根拠の記載が付いているかどうかで、ほとんどの判断がつきます。
手順としては、まずページ全体を眺めて、いちばん強い印象を与えている文を1つだけ選びます。次に、その文の近くに根拠の記載があるかを探します。試験や調査の名前、実施した主体、対象や時期のいずれかが書かれていれば、少なくとも確かめる糸口があります。次に、注記を探して本文と並べて読みます。注記を読む前と後で受ける印象が変わるなら、その表示は注記に依存した書き方をしています。最後に、利用者の声の欄があれば、本文と声で言っていることがずれていないかを見ます。ここまでで数分です。数分かけるだけで、その情報をどれくらい信頼して扱うかを自分で決められるようになります。
- STEP 1|いちばん強い1文を選ぶページの中で最も強い印象を与えている文を1つ選びます。多くの場合、見出しか冒頭にあります。
- STEP 2|その近くに根拠があるかを見る試験や調査の名前、実施主体、対象、時期のいずれかが書かれているかを探します。無ければ、確かめられない主張として扱います。
- STEP 3|注記を本文と並べて読む注記を読む前と後で印象が変わるかを確認します。変わるなら、その表示は注記に依存しています。
- STEP 4|声の欄と本文を突き合わせる利用者の声がある場合、本文より踏み込んだ内容になっていないかを見ます。
この手順は、良い商品を選ぶための手順ではありません。目の前の情報を、どれくらいの確かさとして扱うかを決めるための手順です。
よくある質問
- 禁止されている語句の一覧はありますか。
- 公的に確定した一覧という形では示されていません。判断は表示全体の印象で行われるため、語句だけを見て決まるものではないからです。
- 体験談を載せること自体が問題なのですか。
- 体験談そのものが問題になるわけではありません。本文では示せない内容を、形式を変えて示していると受け取られる場合に問題となります。
- 数字が書かれていれば、根拠があるということですか。
- いいえ。数字の近くに、いつ・誰が・どの範囲で調べたのかが書かれていて初めて、確かめられる数字になります。
- 注記があれば、本文の表現は自由に書けますか。
- そうではありません。注記が小さく離れていて、読まなければ違う印象を受ける場合、注記は打ち消しとして機能しないと判断されうります。
- この記事に実例が載っていないのはなぜですか。
- 問題とされた表現を再掲すること自体がその表現を広めることになり、また語句の一覧は誤った安心につながるためです。型で整理しています。
この記事について
作成: SOPHIA Lab 編集部(NMN サプリメントの製造・販売を行っています)。本記事は、当社が自社の記事や広告に対して行っている表示チェックの考え方を、買う側から使える形に整理したものです。
出典
- 厚生労働省 — 食品として販売に供する物に関する医薬品的な表示の考え方についての公表内容
- 消費者庁 — 不当景品類及び不当表示防止法に関する公表内容
- 消費者庁 — 健康増進法に基づく虚偽誇大表示の禁止に関する公表内容
同じ考え方は、製品そのものの見分け方にも使えます。表示の裏づけをたどる手順は、関連記事にまとめています。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、効能・効果を示すものではありません。特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、体質や体調に合わせ、必要に応じてかかりつけの医師にご相談ください。
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