結論
NMN の安全性は、健康な成人を対象にした臨床試験の範囲で、重篤な有害事象が報告されていないという形で確かめられています。長期や、持病のある人での安全性を示した資料は、公開されている範囲では限られています。
NMN の安全性は、どの書面から確かめられるか?
確かめやすいのは、安全性を評価した臨床試験の書面と、製品の表示です。健康な成人を対象に量と期間を決めて行われた試験の記録は、買う前に文字で読める材料になります。

安全性を評価した書面の中身を、記載のまま並べます。NMN 臨床試験安全性声明書では、1日300mg×60日という条件で、多施設・ランダム化・二重盲検・プラセボ対照という設計が用いられ、対象は健康な成人・n=66・40〜65歳と記載されています。この試験が評価しているのは、この量とこの期間での安全性です。製品そのものの数字も表示から読めます。この製品は1粒150mg・1箱60粒で、1日2粒なら1日あたり300mgにあたり、試験の条件と重ねて確かめられます。書面と表示がそろっていると、どの量をどれだけの期間、どんな対象で調べたのかを、自分の目で照らし合わせられます。
書面が扱っていない範囲も、同じくらい大事です。この試験の対象は健康な成人で、期間は60日です。持病のある人や薬を飲んでいる人での安全性、数年単位の長期での安全性までは、この書面からは分かりません。書面は「何を確かめたか」と同時に「何を確かめていないか」も示していると読むのが正確です。調べていない範囲は、この製品が安全でないという意味ではなく、まだ確かめられていないという意味です。確かめられた範囲と、これから確かめる範囲を分けて読むと、書面の価値を正しく受け取れます。
| 確かめたいこと | 確かめられる材料 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 調べた量と期間 | 臨床試験の書面 | 1日300mg×60日という条件で読める |
| 製品の量 | 箱と表示 | 1粒150mg・1箱60粒で確かめられる |
| 対象 | 臨床試験の書面 | 健康な成人・40〜65歳と記載 |
| 持病のある人での安全性 | 書面の対象外 | 医師に相談する |
自社調べ。安全性について、何をどの材料からどう確かめられるかを整理したものです。
臨床試験では、副作用について何が報告されているか?
報告されている範囲では、健康な成人が決められた量を決められた期間とったとき、重篤な有害事象は認められていません。これは無条件の安全を示すものではなく、試験の条件での記録です。
査読論文で報告されている範囲を、順に見ます。健康な成人31名を対象にβ-NMN 1250mg/日を4週間続けた研究では、重篤な有害事象は報告されていません。65〜75歳を対象に250mg/日を12週間続けたランダム化比較試験も報告されています。ヒトの臨床試験の安全性をまとめたレビューも公表されています。ただし、これらは量も期間も対象も試験ごとに区切られた記録で、体質や体調によって合わない場合まで否定するものではありません。飲み始めてお腹の調子など気になる変化があれば、量を見直すか中止して、必要なら医師に相談するのが現実的です。
副作用という言葉の受け取り方にも、幅があります。研究でいう有害事象は、飲んだ人に起きた好ましくない出来事をまとめて記録したもので、そのすべてが成分のせいと確かめられたものではありません。だからこそ、気になる変化があったときは自己判断で原因を決めつけず、時期や内容を記録して医師に伝えると、続けるか止めるかの相談がしやすくなります。記録は数行のメモで十分で、日付と気づいたことを残しておくだけでも役に立ちます。
- 報告の範囲健康な成人が決めた量を決めた期間とった範囲での記録です。
- 重篤な事象試験の範囲では報告されていません。
- 体質の差合わない場合はあり得るので、変化があれば量を見直します。
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 飲み始めてから体質によって合わない場合があるかどうかを、事前に個人ごとに見分けられる資料はありません。
- 持病のある人や薬を常用している人での有害事象は、健康な成人の試験からは分かりません。
- この記事は報告されている範囲の整理を扱うもので、摂取したときの体感については扱いません。
発がん性や長期の安全性は、どこまで分かっているのか?
発がん性について、ヒトで結論づけた資料は、公開されている範囲では見当たりません。数年単位の長期にわたる安全性も、まだ十分に調べられていない部分が残ります。
分かっている範囲と分かっていない範囲を、期間の面から整理します。公表されているヒトの研究は、数週間から数か月の期間で行われたものが中心です。数年から数十年という単位で続けたときに何が起きるかを追った研究は、公開されている範囲では限られています。発がん性についても、NMN が発がんに関わるかどうかをヒトで結論づけた資料は見当たらず、逆に、それを打ち消す方向の主張も、確かめられた事実として書ける段階ではありません。分かっていないことを「問題がない」と読み替えないのが、安全性の情報を扱うときの基本です。長期の記録が積み上がるのを待つ間は、量を控えめにして体調を見ながら続けるといった、自分で管理できる範囲の判断が現実的になります。
| 見ている期間 | 調べられている範囲 | 現状 |
|---|---|---|
| 数週間〜数か月 | 健康な成人での安全性 | 重篤な有害事象の報告はない |
| 数年単位の長期 | 長期での安全性 | 公開されている研究は限られている |
| 発がん性 | ヒトでの結論 | 結論づけた資料は見当たらない |
自社調べ。安全性の情報を、見ている期間ごとに分けて整理したものです。
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 数年から数十年という長期にわたって続けたときの安全性を追った研究は、公開されている範囲では限られています。
- 発がん性について、NMN がヒトで発がんに関わるかどうかを結論づけた資料は見当たりません。
- 長期の安全性が分かっていないことは、危険であることも安全であることも意味しません。
特に注意したほうがよいのは、どんな人か?
特に確認がいるのは、持病のある人、薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中の人、そして子どもです。安全性を調べた試験の対象は健康な成人で、これらの人は対象に含まれていません。

自分が当てはまるかどうかを、対象という面から確かめます。安全性を評価した臨床試験の対象は健康な成人で、持病のある人や薬を常用している人は含まれていません。薬を飲んでいる場合は、飲み合わせで思わぬ影響が出ないかどうかを、成分名を伝えたうえで医師か薬剤師に確認するのが安全です。妊娠中・授乳中の人や子どもについても、サプリメントを摂ってよいかどうかを自己判断せず、かかりつけに相談してください。体調に不安がある人ほど、始める前に一度相談しておくと、後から不安を抱えずに続けられます。不安は、確かめれば小さくできる部分が多くあります。相談は一度で終わりにせず、体調が変わるたびに立ち返る前提でいると安心です。
当てはまる項目が一つでもある人は、始める前の相談を後回しにしないのが安全です。相談のときは、飲もうとしている量と、常用している薬やサプリメントの名前を控えて持っていくと、医師や薬剤師が判断しやすくなります。健康診断などの機会に合わせて相談すると、体の状態と合わせて確かめられます。当てはまらない健康な成人でも、体調が大きく変わったときは同じように見直す入口になります。
- 持病・服薬成分名を伝えて医師か薬剤師に確認します。
- 妊娠・授乳自己判断せず、かかりつけに相談します。
- 子ども対象として調べられていないため相談のうえで判断します。
続けて飲んでよいか迷ったとき、何を確かめればよいか?
確かめられるのは、試験で調べられた量と期間、自分が対象に近いか、そして飲み合わせの3点です。この3点を押さえると、不安を抱えたまま続けるか迷わずにすみます。
確かめる手順を、順に並べます。まず、飲もうとしている量と期間が、安全性を調べた試験の範囲に近いかを見ます。この製品なら1日2粒で1日あたり300mgにあたり、試験の1日300mg×60日と重ねて読めます。次に、自分が試験の対象である健康な成人に近いかを確かめ、持病や服薬があれば医師に相談します。最後に、飲み始めてからの体調の変化を自分で記録し、気になる変化があれば量を見直すか中止します。量・対象・経過という3つの入口を通すと、雰囲気ではなく確かめた材料で判断できます。記録を続けておくと、後で医師に相談するときにも、いつから何を感じたのかを具体的に伝えられます。
- 手順1|量と期間を照らす|飲む量と期間が、安全性を調べた試験の範囲に近いかを確かめます。1日2粒で300mgなら、試験の1日300mg×60日と重ねて読めます。
- 手順2|自分が対象に近いか見る|試験の対象は健康な成人です。持病や服薬がある場合は、書面の結果をそのまま当てはめず医師に相談します。
- 手順3|飲み合わせを確かめる|薬を飲んでいる場合は、成分名を伝えて医師か薬剤師に相互作用を確認します。
- 手順4|経過を記録する|飲み始めてからの体調の変化を記録し、気になる変化があれば量を見直すか中止します。
「分かっている安全性」と「分かっていないこと」は、どう対応するか?
分かっている安全性と、分かっていないことは、対象と期間で線が引けます。試験で調べた範囲は確かめられ、その外側は確かめられていない、という対応で読むと整理できます。
表の右側、つまり分かっていないことの側は、放っておくと不安の置き場所になりがちです。分かっていないことは、危険と決まったわけでも安全と決まったわけでもない空白として扱い、自分に関わる項目だけを医師への質問に変えておくと、必要以上に怖がらずにすみます。
| 観点 | 分かっている範囲 | 分かっていないこと |
|---|---|---|
| 対象 | 健康な成人 | 持病のある人・妊娠授乳中・子ども |
| 期間 | 数週間〜数か月 | 数年単位の長期 |
| 有害事象 | 試験の範囲で重篤なものはない | 体質による個人差は否定できない |
| 飲み合わせ | 書面の対象外 | 薬との相互作用は医師・薬剤師に確認 |
自社調べ。安全性について分かっている範囲と分かっていないことを対応させたものです。
よくある質問
- NMN サプリに副作用はありますか。
- 健康な成人を対象にした臨床試験の範囲では、重篤な有害事象は報告されていません。ただし体質や体調によって合わない場合もあり、飲み始めてお腹の調子などに気になる変化があれば、量を見直すか中止して、必要なら医師に相談してください。試験で調べられていない持病のある人や長期での安全性は、別に考える必要があります。
- NMN に発がん性はありますか。
- 発がん性について、ヒトで結論づけた資料は、公開されている範囲では見当たりません。数年単位の長期での安全性も十分に調べられているとは言えないため、分かっていないことを「問題がない」と読み替えず、気になる場合は医師に相談したうえで判断してください。
- NMN は他の薬と飲み合わせても大丈夫ですか。
- 薬を飲んでいる場合は、飲み合わせで思わぬ影響が出ないかどうかを、成分名を伝えたうえで医師か薬剤師に確認してください。安全性を調べた臨床試験の対象は健康な成人で、薬を常用している人は含まれていないため、書面の結果をそのまま当てはめることはできません。
- ニコチンアミドモノヌクレオチドの副作用として、何が報告されていますか。
- ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の臨床試験では、健康な成人が決められた量を決められた期間とった範囲で、重篤な有害事象は報告されていません。お腹の調子などの軽い変化は体質によって起こりうるため、気になる場合は量を見直すか中止します。
- NMN を長く続けても安全ですか。
- 数年単位の長期にわたって続けたときの安全性を追った研究は、公開されている範囲では限られています。公表されているヒトの研究は数週間から数か月の期間が中心で、長期での結論は出ていません。長く続ける場合は、体調の変化を自分で記録し、定期的に医師に相談すると安心です。
- 妊娠中や授乳中でも NMN を飲めますか。
- 妊娠中・授乳中の人は、安全性を調べた臨床試験の対象に含まれていません。摂ってよいかどうかを自己判断せず、かかりつけの医師に相談してください。子どもについても同様に、対象として調べられていないため、相談のうえで判断する範囲になります。
この記事について
出典
- NMN臨床試験安全性声明書(多施設・ランダム化・二重盲検・プラセボ対照/1日300mg×60日/n=66/40〜65歳/対象は健康な成人/安全性の評価)
- 製品仕様(1粒150mg・1箱60粒/NMN含有量 9,000mg)
- Fukamizu et al., Scientific Reports, 2022(健康成人31名・β-NMN 1250mg/日×4週間/重篤な有害事象の報告なし)
- Yamaguchi et al., GeroScience, 2024(65〜75歳・250mg/日×12週間のランダム化比較試験)
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、かかりつけの医師にご相談ください。
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