結論
禁止物質が混入していないと言える根拠は、第三者のアンチ・ドーピング認証があるか、その認証がどのロットを検査したか、純度や製造の書面が公開されているか、という手元で確かめられる範囲まで見分けられます。検査していないロットや、すべての物質の不在までは書面では保証できません。
アンチ・ドーピング対応は、どこまで確かめられるか?
アンチ・ドーピング対応で確かめられるのは、第三者の認証があるか、その認証がどのロットを検査したか、そして純度や製造を示す書面が公開されているかまでです。飲んだロットに禁止物質が一切ないことは、家庭では確かめられません。

手元で確かめられる根拠を、書面の記載のまま並べます。この製品は英国 LGC が運営する Informed Sport 認証(証明書番号 06465)を取得しており、これはアスリート向けサプリメントのロットを第三者機関が検査し、世界アンチ・ドーピング機構が定める禁止物質の混入を調べる仕組みです。あわせて、内容量は1粒150mg・1箱60粒と表示され、純度は日本食品検査(JFIC)の純度試験で99.9%と記載され、製造は国内GMP水準(JIHFS)で管理されています。これらはいずれも、販売ページと公開されている書面を見れば、買う前でも確かめられる項目です。数字そのものは誰でも印刷できるため、確かめるべきは数字の大きさではなく、その数字を裏づける書面と発行者の側になります。
認証や書面で分かるのは、検査した範囲と、その検査を誰が行ったかまでです。検査の対象になったのは認証を受けたロットであって、手元に届いた個々の箱そのものを買う人が再検査するわけではありません。禁止物質の不在を100%保証する検査は存在せず、認証は混入の確率を下げる仕組みであって、ゼロにする仕組みではありません。競技者本人の責任、いわゆる厳格責任は、認証の有無にかかわらず残ります。だからこそ、認証があるかないかだけでなく、どのロットを、誰が、何を対象に検査したかまで確かめる価値があります。
| 確かめたいこと | 認証・書面から分かること | この範囲では分からないこと |
|---|---|---|
| 第三者の認証があるか | 分かる(Informed Sport 認証・証明書番号 06465) | 認証を受けていないロットの状態 |
| 検査した範囲 | 分かる(WADA 禁止物質を対象としたロット検査) | すべての物質の不在 |
| 純度と製造 | 分かる(純度99.9%/国内GMP水準) | 家庭に届いた個々の箱の再検査 |
| 表示の整合 | 分かる(1粒150mg・1箱60粒) | 飲んだ後の体の反応 |
自社調べ。認証と書面から確かめられる範囲と、その範囲では分からないことを分けて整理したものです。
そもそもアンチ・ドーピングの第三者認証とは何か?
アンチ・ドーピングの第三者認証とは、販売者から独立した検査機関が、サプリメントのロットを抜き取って禁止物質が混入していないかを調べ、その結果を証明書として発行する仕組みです。自己申告ではなく、外部の記録として残る点が要点になります。
第三者認証の代表例が、英国 LGC が運営する Informed Sport です。この仕組みでは、製造されたサプリメントのロットから検体を抜き取り、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が禁止表に挙げる幅広い物質を対象に、微量の混入まで調べます。合格したロットには証明書が発行され、番号で照会できる形で公開されます。認証が対象にするのは製品名そのものではなく、検査を通ったロットです。同じ製品名でも、証明書が発行されたロットと、まだ検査されていないロットが並存しうるため、確かめるべきは製品名の知名度ではなく、証明書とその番号、そして対象ロットの範囲になります。番号で照会できるということは、買う側が販売者の説明を待たずに、発行元の記録に当たれるということでもあります。
自己申告の品質表示と第三者認証は、言葉が似ていても中身が違います。自己申告は販売者が自分で測った、あるいは測ったと述べている記録で、第三者認証は販売者と利害の異なる機関が測った記録です。どちらも数字は載りますが、その数字を誰が裏づけているかが異なります。競技に出る人にとっては、この裏づけの主体が誰かが、そのまま確かめられる度合いの差になります。
- 第三者性検査したのが販売者自身か、独立した検査機関か。発行者名で見分けます。
- 対象ロット認証が製品名ではなくロット単位であること。証明書番号で照会します。
- 対象物質WADA 禁止表を対象にしているか。検出限界は発行機関の基準によります。
- 公開性証明書そのものが番号で照会・確認できる形で公開されているか。
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 認証が対象にした物質の一覧と、検査の検出限界がどこまでかは、証明書の発行機関の基準によって異なり、すべてを網羅した単一の基準は公開されていません。
- WADA の禁止表は毎年更新されるため、ある時点で問題のなかった成分が、後年に加わる可能性は残ります。
- この記事は認証と書面から確かめられる範囲を扱うもので、摂取したときの競技パフォーマンスへの影響については扱いません。
認証があれば、禁止物質は入っていないと言い切れるのか?
認証があっても、禁止物質が入っていないと言い切ることはできません。第三者のロット検査は混入の確率を大きく下げますが、検査には検出限界があり、対象になるのは検査を受けたロットに限られるためです。
混入が問題になる背景には、市販サプリメントの中身が表示どおりとは限らないという、繰り返し報告されてきた実態があります。ChromaDex が2021年に公表した調査では、Amazon で販売されていた上位22製品のうちラベル表示どおりだったのは14%で、64%は表示された成分が1%未満だったとされます。査読誌 GeroScience に Sandalova らが2024年に報告した市販18製品の実測でも、ラベルに対する乖離は +28.6% から -100% に広がり、3製品からは対象成分が検出されませんでした。これらは特定の販売経路のサンプルに対する結果で、国内流通の全体を示すものではありませんが、表示の数字だけを根拠にできないことは共通しています。禁止物質の混入も、原料や製造ラインの共用といった同じ経路で起こり得るため、第三者がロットを検査した記録があるかどうかが、確率を下げる現実的な手がかりになります。
競技者にとってもう一つ外せないのが、厳格責任という原則です。ドーピング規則では、体内から検出された物質については、混入の経緯にかかわらず競技者本人が責任を負うとされます。認証は競技者が負うリスクを下げる材料であって、責任そのものを肩代わりするものではありません。認証済みのロットを選び、証明書番号と対象ロットを記録しておくことは、この責任と向き合ううえでの最低限の備えになります。
| 観点 | 認証で下げられること | 認証でも残ること |
|---|---|---|
| 禁止物質の混入 | 検査したロットでの混入の確率 | 検査していないロットや検出限界以下 |
| 表示との一致 | 第三者が測った記録の有無 | 家庭に届いた箱そのものの再検査 |
| 競技者の責任 | (対象外) | 厳格責任として本人の責任は残る |
自社調べ。第三者のロット検査で下げられる範囲と、それでも残る範囲を分けて整理したものです。
買う前に確かめられる6項目は何か?
買う前に確かめられるのは、第三者認証の有無と発行者、対象ロット、純度の書面、製造の管理、そして表示の整合という6項目です。販売ページと公開書面だけで到達できる範囲に絞り、家庭に届いてからでないと分からない項目は外しています。
6項目は、自社が満たすものだけを並べたものではありません。認証を受けていない製品や、書面を公開していない製品もあるため、満たせない項目が空欄として見える形にしてあります。基準表は、埋まらない項目が見えて初めて比較に使えるからです。項目1と項目2は認証の有無と発行者、項目3は対象ロット、項目4は純度の書面、項目5は製造の管理、項目6は内容量と粒数の整合にあたります。上から順に、認証そのものの存在から、その中身、そして製品表示の整合へと降りていくため、同じ場所を二度見ることなく確かめられます。何個満たすかで順位をつけるより、どの項目が空欄のままかを控えておくほうが、複数の製品を後で比べるときに役立ちます。
- 1. 第三者のアンチ・ドーピング認証があるかInformed Sport など、販売者から独立した機関の認証があるか。証明書そのものが公開されているかを見ます。
- 2. 認証の発行者と番号が分かるか発行機関名と証明書番号が記載され、番号で照会できるか。ここでは証明書番号 06465 のように番号まで確かめます。
- 3. 対象ロットの範囲が分かるか認証が製品名全体か特定のロットかが分かるか。買うロットが対象に含まれるかを確認します。
- 4. 純度を測った書面が公開されているか純度試験成績証明書が公開され、発行者が第三者か。数値だけでなく書面の有無を見ます。
- 5. 製造の管理水準が示されているか国内GMP水準など、製造管理の基準が示されているか。バッジの有無と発行元を確認します。
- 6. 内容量と粒数が整合しているか1粒あたりの量と粒数、総量が掛け算で合うか。1粒150mg・1箱60粒なら総量は9,000mgになります。
6項目は、どの順番で確かめると早いか?
確かめる順番は、第三者認証があるかどうかから始め、発行者と番号、対象ロット、純度と製造の書面、最後に表示の整合へと降りるのが最短です。先に細かい数字を見るより、認証の有無で候補を絞るほうが早く進みます。

手順は4段です。まず販売ページで、第三者のアンチ・ドーピング認証があるかを確かめ、なければその時点で候補から外すか、販売者へ問い合わせます。次に、認証があれば発行機関名と証明書番号、対象ロットの範囲を照合します。続いて、純度試験の書面と製造管理の水準が公開されているかを見ます。最後に、内容量と粒数の掛け算が総量の表示と合うかを検算します。慣れれば1製品あたり10分ほどで一巡します。問い合わせても出てこない書面は、買った後にも出てきません。1回通しておくと、2製品目からは同じ場所を見るだけになるため、比較にかかる時間が短くなります。競技をしている場合は、選んだロットの証明書番号と対象ロットを記録に残しておくと、後から確認を求められたときに提示できます。
- 手順1|認証の有無を見る販売ページで第三者のアンチ・ドーピング認証があるかを確かめます。なければ候補から外すか問い合わせます。
- 手順2|発行者と番号を照合する発行機関名と証明書番号、対象ロットの範囲を照合します。番号で照会できるかを見ます。
- 手順3|純度と製造の書面を見る純度試験成績証明書と製造管理の水準、たとえば国内GMPが公開されているかを確かめます。
- 手順4|表示の整合を検算する内容量と粒数の掛け算が総量の表示と合うかを確かめ、選んだロットの番号を記録します。
自己申告の品質表示と第三者認証は、どう違うか?
自己申告の品質表示と第三者認証の違いは、測った主体が販売者自身か、独立した機関かにあります。同じ「検査済み」という言葉でも、誰が検査したかで、確かめられる度合いが変わります。
| 確かめ方 | 自己申告の品質表示 | 第三者のアンチ・ドーピング認証 |
|---|---|---|
| 測った主体 | 販売者自身 | 販売者から独立した検査機関(例として LGC) |
| 対象 | 製品名や成分の記載 | 検査を通ったロット |
| 公開のされ方 | 販売ページの記載 | 証明書と番号で照会できる形 |
| 買う側の確認 | 記載を読む | 証明書番号と対象ロットを照合する |
自社調べ。品質の確かめ方を、測った主体と公開のされ方で並べたものです。認証の有無だけでなく、対象ロットまで確かめることが前提です。
よくある質問
- NMN サプリはドーピング検査に引っかかりますか。
- 現時点で NMN そのものは、世界アンチ・ドーピング機構の禁止表に挙げられていません。競技者にとっての現実的な懸念は、NMN そのものより、製造の過程で禁止物質が混入することです。第三者のロット検査、たとえば Informed Sport を通った製品を選ぶことで、その混入の確率を下げられます。
- NMN はアンチ・ドーピングの禁止物質ですか。
- 現時点の世界アンチ・ドーピング機構の禁止表に、NMN の記載はありません。ただし禁止表は毎年更新されるため、競技に出る場合は、その年の最新の禁止表と、製品の第三者認証の両方を確認するのが安全です。
- アスリートが NMN サプリを選ぶとき、何を確認すればよいですか。
- 第三者のアンチ・ドーピング認証があるか、その証明書番号と対象ロットが照会できるか、純度と製造の書面が公開されているか、の3点をまず確認します。認証は製品名ではなくロット単位のため、買うロットが対象に含まれるかまで見ると確実です。
- Informed Sport 認証とは何ですか。
- 英国 LGC が運営する、サプリメントのアンチ・ドーピングに関する第三者認証です。製造されたロットから検体を抜き取り、世界アンチ・ドーピング機構が禁止表に挙げる物質の混入を調べます。合格したロットには証明書が発行され、番号で照会できます。この製品は証明書番号 06465 を取得しています。
- 認証があれば、禁止物質は入っていないと言い切れますか。
- 入っていないとは言い切れません。第三者のロット検査は混入の確率を大きく下げますが、検査には検出限界があり、対象になるのは検査を受けたロットに限られます。また競技者本人の責任、いわゆる厳格責任は認証の有無にかかわらず残るため、認証はリスクを下げる材料として位置づけるのが適切です。
- NMN サプリの中身が表示どおりか、どう確かめられますか。
- 家庭では直接測れませんが、純度試験成績証明書が第三者から公開されているか、内容量と粒数の掛け算が総量の表示と合うか、という書面と検算で確かめられます。市販品の実測調査では表示と中身が大きくずれる例が報告されているため、数字そのものより、その数字を裏づける書面の有無を見ます。
この記事について
出典
- Informed Sport 認証取得(アンチ・ドーピング第三者認証)/英国 LGC・証明書番号 06465(Sophia Lab NMN 9000)
- 純度試験成績証明書(日本食品検査/JFIC・純度99.9%)/国内GMP水準の製造管理(JIHFS)
- ChromaDex(2021)市販NMN製品のラベル表示と実測値に関する調査
- Sandalova et al., GeroScience, 2024(市販18製品の実測とラベル乖離の報告)
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、かかりつけの医師にご相談ください。
※当サイトはSOPHIA Lab公式サイトです。記事内で紹介する製品はSOPHIA Lab製品です。