結論
比較でずれるのは、単位・分母・対象の3か所です。数字そのものが間違っていることは少なく、違う土俵の数字を並べてしまうことがほとんどです。並べる前に、この3か所をそろえます。
どんな読み違いが、実際によく起きているのか?
よく起きる読み違いは5つに整理できます。いずれも表示そのものは正しく、比べ方の側でずれが生まれています。それぞれについて、なぜ起きるのかと、正しい読み方を対応させて並べます。

5つに共通しているのは、表示が間違っているわけではないという点です。パッケージや商品ページに書かれている数字は、その製品の中では正しく書かれています。ずれが生まれるのは、その数字を別の製品の数字と並べた瞬間です。単位が違う、分母が違う、測った対象が違う。この3つのどれかが一致していないまま比べると、大きいほうが良いように見えてしまいます。だからこの記事では、どの数字が悪いかではなく、どこをそろえてから比べるのかを書きます。名指しで特定の製品を例に挙げることはしません。読み違いは表示の書き方ではなく、比べ方の側で起きているためです。
| よくある読み違い | なぜ起きるのか | 正しい読み方 |
|---|---|---|
| パッケージの大きな数字が、1日に飲む量だと思う | 正面に出るのは1箱あたりの総量であることが多く、1日あたりの量は側面に小さく書かれているため | 1粒あたりの量 × 1日の目安粒数で、1日あたりの量を自分で出してから比べる |
| 1日あたりの負担が軽いほど割安だと思う | 1回に届く量と、1日に飲む量と、届く間隔がそれぞれ違うため、単純な割り算では比べられない | 同じ期間で使い切る条件にそろえてから比べる。粒数と目安量の両方を見る |
| 認証や試験の数が多いほど確かだと思う | 数の多さは見た目に分かりやすい一方、確かめている範囲は数に比例しないため | 重なっている範囲か、離れた範囲かで見る。範囲が重なっていれば数が増えても広さは変わらない |
| 研究で使われた量と同じなら、同じことが起きると思う | 研究は量だけでなく対象者と期間もあわせて設計されているため | 量・期間・対象者の3つで条件を見る。量だけの一致は条件の一致ではない |
| 「第三者検査済み」と書いてあれば確かだと思う | 誰が・何を・いつ の記載がなくても、文言としては書けてしまうため | 機関名・対象・日付のいずれかが欠けていれば、確かめられた事実の欄には入れない |
※本表は当社が、公開されている商品表示の一般的な書き方をもとに整理したものです(自社調べ)。特定の製品や事業者を対象としたものではありません。
なぜ、大きい数字のほうが良く見えてしまうのか?
人は単位より先に数字の大きさを見るからです。単位や分母は数字の後ろに小さく置かれることが多く、比較の場面では意識に上りにくくなります。
商品を並べて比べる場面では、判断に使える時間が限られています。そのため、同じ位置に並んでいる数字どうしを反射的に比べることになります。ところが表示には、1粒あたり、1日あたり、1箱あたり、そして割合という4種類の数字が混ざっています。並んで見える場所にあっても、その4種類は本来そのままでは比べられません。表示する側に悪意がなくても、書き方の慣習が製品ごとに違うだけで、こうしたずれは生まれます。だからこそ、比べる前に自分の側で単位をそろえるという一手間が要ります。この一手間を入れるだけで、比較の精度はかなり変わります。
もうひとつの理由は、数字が多いほど情報が多いように感じられることです。実際には、根拠の書かれていない数字は情報量がゼロに近く、根拠の書かれた数字1つのほうが判断には役立ちます。数字の個数ではなく、確かめられる数字が何個あるかで見ると、印象はかなり変わります。
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 本記事は表示の読み方についての整理であり、どの製品が優れているかを示すものではありません。優劣の判断は、使う人の目的と条件によって変わります。
- 表示の慣習は今後変わる可能性があります。制度が変われば、比べ方も変わります。
- 数字の読み方と、飲んだ人の体で起きることの関係は、この記事では扱いません。
比べる前に、どこをそろえておけばよいか?
そろえるのは単位・分母・対象の3つです。この3つが一致していれば、あとは数字を見るだけで比べられます。逆に、どれか1つでもそろっていない項目は、比較の対象から外します。
順番としては、まず単位をそろえます。すべての製品について1日あたりの量に換算し、同じ物差しに載せます。次に分母です。割合の数字が出てくる場合、それが何に対する割合なのかを確認します。原料に対する割合と、製品に対する割合は別の数字です。最後に対象です。その数字が原料について述べているのか、製品について述べているのか、あるいは研究の条件について述べているのかを見ます。ここまでそろえると、比べられる項目と比べられない項目がはっきり分かれます。比べられない項目については、無理に並べず「この項目では比較できない」と扱うのが正確です。無理に並べた比較表は、作った本人にも根拠を説明できないものになります。
- STEP 1|単位をそろえる1粒あたり・1日あたり・1箱あたりのどれで書かれているかを確認し、すべて1日あたりに換算します。
- STEP 2|分母を確認する割合の数字については、何に対する割合かを確認します。書かれていない場合は比較に使いません。
- STEP 3|対象を確認する原料の話か、製品の話か、研究の条件の話かを見分けます。混ざっていれば分けます。
- STEP 4|比べられない項目は空欄にする情報が足りない項目は、推測で埋めずに空欄のままにします。空欄の多さ自体が判断材料になります。
この手順は、勝ち負けをつけるためのものではありません。自分が何を比べているのかを、自分で説明できる状態にするためのものです。
よくある質問
- 配合量と純度は、どちらを見ればよいのですか。
- 別々の項目なので、どちらか一方では判断できません。詳しくは配合量と純度の違いを扱った記事をご覧ください。
- 1日あたりの負担で比べるのは間違いですか。
- 間違いではありませんが、同じ期間で使い切る条件にそろえてからでないと正しく比べられません。粒数と目安量の両方を見てください。
- 認証が多い製品を選べば安心ですか。
- 数ではなく範囲で見てください。確かめている範囲が重なっていれば、数が増えても確かめられた広さは変わりません。
- 比較表は自分で作ったほうがよいですか。
- 単位をそろえる作業は自分で行うのが確実です。他者が作った表は、そろえ方の条件が書かれているかどうかを先に確認してください。
- 情報が足りない製品は避けるべきですか。
- 書かれていないことと品質が低いことは別です。ただし買う側からは確かめようがないため、確かめられた事実の欄には入れない扱いになります。
この記事について
作成: SOPHIA Lab 編集部(NMN サプリメントの製造・販売を行っています)。本記事は表示の読み方を整理する目的で作成しており、特定の製品や事業者を例として名指しすることはしていません。
出典
- 消費者庁 — 食品表示基準に関する公表内容
- SOPHIA Lab 編集部による公開商品表示の整理(自社調べ・特定事業者を対象としない一般的な書き方の分類)
単位のそろえ方を手順として詳しく書いた記事と、配合量と純度の違いを扱った記事があります。あわせてご覧ください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、効能・効果を示すものではありません。特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、体質や体調に合わせ、必要に応じてかかりつけの医師にご相談ください。
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