結論
NMN には、法令で定められた1日あたりの推奨量や上限量がありません。一般食品に分類されるためです。製品に書かれている量は、事業者が定めた目安量であり、研究で用いられた量とは別のものとして読みます。
研究では、どのくらいの量が、どのくらいの期間、誰に使われてきたか?
公表されている臨床研究では、1日あたり数百ミリグラムの範囲が、数週から数か月にわたって用いられています。量・期間・対象者と、そこから言えることを並べます。

下の表は、公表論文と当社が保管する安全性に関する試験の記録から、量・期間・対象者を書き出したものです。表を読むときに見てほしいのは、右端の欄です。研究は、あらかじめ決めた対象者と、決めた量と期間についてだけ結果を出します。対象者の年齢や状態が違えば、そのまま当てはめることはできません。また、本記事で扱うのは安全性の確認と、摂取後に血液中でどう推移したかという薬物動態の記録までです。体調や見た目の変化については、研究の目的も設計も別であり、この表からは何も言えません。ここを混ぜないことが、量の話を正しく読む前提になります。
| 公表されている記録 | 1日あたりの量 | 期間 | 対象者 | この記録から言えること |
|---|---|---|---|---|
| Yoshino et al., Science 2021(PMID 33888596) | 250mg | 10週 | 閉経後の女性 | 体内で NAD+ の産生に関わる前駆体としての働きが、生体内の指標として観察されたこと(成分の科学的背景の水準) |
| Liao et al., 2021(PMID 35025040) | 300mg〜900mg | 単回 | 健康な成人 | 経口で摂取したあと血液中でどう推移したかという薬物動態の記録 |
| Yamane et al., 2023(PMID 35325616) | 250mg | 12週 | 地域在住の高齢者 | この対象者・この量・この期間における記録。年齢層が異なる人に当てはめることはできない |
| 当社製品に関する臨床試験(安全性) | 300mg | 60日 | 40〜65歳・66名 | 臨床試験で安全性を確認(安全性の確認であり、体調の変化を示すものではありません) |
※本表は公表論文および当社が保管する試験記録から、量・期間・対象者を書き出したものです(自社調べ)。研究の結論そのものではなく、条件の書き出しです。
なぜ「1日の推奨量」という数字が出回るのか?
制度としての推奨量が存在しないため、研究で使われた量がそのまま「推奨量」として引用されていくからです。出発点は研究条件であって、公的な基準ではありません。
日本では、NMN は一般食品として扱われています。栄養素のように国が摂取の基準値を定めているものではなく、「日本人の食事摂取基準」にも項目は設けられていません。つまり、国が定めた1日あたりの推奨量も上限量も存在しない、というのが現在の位置づけです。それにもかかわらず具体的な数字が広く流通しているのは、研究で採用された量が繰り返し引用されるうちに、いつのまにか基準のように読まれてしまうためです。数字そのものが間違っているわけではなく、その数字に与えられている「推奨量」という肩書きが実態と違う、ということになります。
製品に書かれている量は、事業者が原料の配合と1日あたりの目安をもとに設定したものです。研究の条件をそのまま製品に持ち込んでいるとは限りませんし、持ち込む義務もありません。したがって、製品Aと製品Bの表示量の違いは、優劣ではなく設計の違いとして読むのが正確です。
なお、量が多いほど良いという考え方も、研究から導けるものではありません。研究はあらかじめ決めた量について調べており、その範囲の外については何も述べていないからです。
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 研究で用いられた量が、どの人にとっても適した量かどうかは分かっていません。研究は特定の対象者について行われており、年齢・性別・健康状態が異なる人に一般化できるものではありません。
- 長期にわたって摂取し続けた場合の記録は、研究の期間が数週から数か月であるため、それを超える範囲については公表されている情報が限られています。
- 本記事は安全性と薬物動態の記録の範囲までを扱います。体調や見た目の変化については扱いません。
研究の量と製品の表示は、どう読み合わせればよいか?
読み合わせの順番は、製品表示の単位をそろえてから、研究の条件と並べる、です。単位をそろえる前に数字を比べると、必ずどこかでずれます。

製品の表示は、1粒あたりの量、1日あたりの目安量、1箱に入っている総量の3種類が混在しています。パッケージの正面に大きく出ている数字が総量で、1日あたりの量は側面に小さく書かれている、という並びも珍しくありません。まず、手元の製品について1日あたりの量を確定させます。次に、その量が研究で使われた範囲のどのあたりに位置するかを見ます。ここで落としてはいけないのが、近い量だから同じ結果になるとは言えない、という点です。研究は対象者と期間もセットで設計されているため、量だけを合わせても条件が一致したことにはなりません。読み合わせは「同じ土俵かどうか」を確かめる作業であって、結果を予測する作業ではありません。
- STEP 1|1日あたりの量を確定する1粒あたりの量と、1日に何粒を目安としているかを掛け合わせます。総量表示だけを見て判断しないようにします。
- STEP 2|研究の条件と並べる上の表と見比べ、量・期間・対象者の3つがどれくらい近いかを見ます。量だけが近くても、対象者が違えば条件は違います。
- STEP 3|言えることの欄まで読むその研究が何について述べているか(安全性なのか、薬物動態なのか)を確認します。述べていない範囲について書かれた説明があれば、それは研究の結論ではありません。
- STEP 4|迷ったら医療者に相談する服薬中の方や持病のある方は、量の判断を自分だけで行わず、かかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
この手順は、最適な量を決めるための手順ではありません。手元の数字と研究の数字が同じ土俵にあるかどうかを見分けるための手順です。
よくある質問
- 国が定めた1日あたりの推奨量はありますか。
- ありません。NMN は一般食品として扱われており、「日本人の食事摂取基準」にも項目は設けられていません。流通している具体的な数字は、研究で用いられた量が引用されたものです。
- 研究で使われた量と同じ量を摂れば、同じ結果になりますか。
- そうとは限りません。研究は対象者と期間もあわせて設計されており、量だけを合わせても条件が一致したことにはならないためです。
- 量が多い製品ほど良いのですか。
- 研究からはそう言えません。研究はあらかじめ決めた量について調べており、その範囲の外については述べていないためです。
- パッケージの大きな数字は、1日に飲む量ですか。
- 多くの場合は1箱あたりの総量です。1日あたりの量は、1粒あたりの量と1日の目安粒数から計算します。
- 薬を飲んでいますが、量の相談はどこにすればよいですか。
- かかりつけの医師または薬剤師にご相談ください。飲み合わせについては個別の判断が必要になります。
この記事について
作成: SOPHIA Lab 編集部(NMN サプリメントの製造・販売を行っています)。本記事は、量に関する数字の出どころを整理する目的で作成しており、特定の摂取量をおすすめするものではありません。
出典
- Yoshino et al., Science 2021(PubMed PMID 33888596)
- Liao et al., 2021(PubMed PMID 35025040)
- Yamane et al., 2023(PubMed PMID 35325616)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」— 収載されている栄養素の一覧(NMN の項目は無い)
- 当社保管「NMN 臨床試験安全性声明書(日本向け)」
当社製品の1粒あたりの量と1日の目安は、商品ページに記載しています。上の手順で、手元の製品の1日あたりの量を確定させてみてください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、効能・効果を示すものではありません。特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、体質や体調に合わせ、必要に応じてかかりつけの医師にご相談ください。
※当ページはSOPHIA Lab公式です。記載の試験・認証はいずれも第三者機関によるもので、証明書は各機関の発行に基づきます。