結論
GMP の適合書面にある名義と所在地の欄は、適合とされた製造所がどこの誰かを示します。箱の製造者の欄か製造所固有記号と並べ、同じ製造所を指しているかを見るのが基本の読み方です。名義が売っている会社と違っても、委託製造ならそれが普通の形です。
製造所の名義と所在地の欄には、実際に何と書かれているか?
GMP の適合書面には、適合とされた製造所を運営する事業者の名義と、その製造所の所在地が書かれます。書面は製造所ごとに出るので、名義と所在地の組み合わせが、どの工場の書面かを決める手がかりです。

当社の製品の箱の正面には、第三者のマークとして、国内GMP水準の製造管理(JIHFS)を示すマークが印刷されています。マークは、製造の管理が外部の基準で見られていることを知らせる入口で、どの製造所が対象かまでは書かれていません。製造所を特定するのは、マークの元になっている適合の書面の側です。もう一つの手がかりが、国内製造の説明書面です。そこには、製品が 日本国内で製造・充填 されたことが書かれています。箱のマーク、国内製造の説明書面、適合の書面の三つを並べると、作った場所の話が一つの線でつながります。
製造所の実名と所在地の逐語は、この記事には書き写していません。適合の書面は工場の運営者に交付されるもので、記載をどこまで外に出すかは、書面の原本と交付先の確認を経てから決めることにしています。手元で名義を確かめたい人は、販売者に書面の写しを求めると、欄の中身をそのまま読めます。
欄の並びは書面によって違います。名義と所在地が書面の上のほうに並ぶ形もあれば、認定の番号や範囲の後ろに置かれる形もあります。どの形でも、交付を受けた側の名前と、その工場の住所が対になっている所を探すと、目当ての欄に行き着きます。
| 見る場所 | 書かれていること | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 箱の正面のマーク | 国内GMP水準の製造管理(JIHFS) | 当社の箱の表示をそのまま転記 |
| 国内製造の説明書面 | 日本国内で製造・充填 | 当社の書面の記載をそのまま転記 |
| 適合書面の名義の欄 | 製造所を運営する事業者の名称 | 実名は書き写していない |
| 適合書面の所在地の欄 | 適合とされた製造所の住所 | 実際の住所は書き写していない |
自社調べ。当社の箱の表示と国内製造の説明書面の記載を書き起こし、適合書面の欄は欄の役割だけを示しました。書面の再現は表で行い、書面の画像は載せていません。
名義と所在地の欄は、何を意味しているか?
名義と所在地の欄は、GMP の基準に沿った製造の管理が確かめられた製造所が、どの事業者の、どこにある工場かを示す欄です。適合は製造所単位で出るため、同じ会社でも別の工場は別の書面になります。
GMP は、原材料の受け入れから製造、包装、出荷までの工程を、手順書と記録で管理する仕組みです。健康食品の GMP では、第三者の機関が工場の手順と記録を確かめ、基準に沿っていると判断した製造所に適合の書面を出します。名義の欄は、その工場を運営し、管理の責任を負う事業者の名前です。所在地の欄は、確かめられた工場の住所で、本社の住所とは限りません。一つの会社が複数の工場を持つとき、適合の書面を受けた工場とそうでない工場が並ぶこともあります。だから所在地が、書面の対象を特定する欄になります。名義は会社を、所在地は工場を指す、と分けて読むと混乱しません。
サプリメントでは、ブランドを持つ会社が、製造を専門の工場に委託する形が多くあります。適合の書面の名義が受託先の工場の会社名になっているのは、この分担をそのまま映したものです。
名義の欄は、書面が出された時点の会社名で書かれます。その後に工場の運営会社の社名が変わったり、別の会社に工場が引き継がれたりすると、箱に書かれた製造者の名前と、手元の書面の名義がずれて見えることがあります。所在地が同じで名前だけが違うときは、社名の変更か引き継ぎを先に疑うと、読み違いが減ります。書面の更新を待っている時期にも、同じずれは起こりえます。
- 名義製造所を運営し、管理の責任を負う事業者の名前
- 所在地適合とされた工場の住所で、本社の住所とは限らない
- 単位適合は製造所ごと。同じ会社でも工場が違えば別の書面
- 委託売る会社と名義が違うのは、委託製造ならよくある形
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 当社の製品の製造所の名義と所在地の逐語は、この記事には書き写していない
- 名義と所在地の欄の並び方や呼び名は、書面を出す機関や書面の版によって違いうる
名義と所在地の欄は、何を意味していないか?
名義と所在地の欄は、手元の箱の中身がその工場で作られたことや、中身の量や純度が表示どおりであることを示す欄ではありません。示すのは、その工場の製造の管理が基準に沿うと確かめられたことまでです。

欄の性質から、書面の名義は工場の話で、製品一つひとつの話ではありません。同じブランドの製品でも、品目や時期によって作る工場が変わることがあります。手元の箱がその工場の製品かどうかは、箱の製造者の欄か製造所固有記号を見ないと結び付きません。中身の量も、この欄の外にあります。18製品を測った報告では、表示との乖離が +28.6% から -100% の範囲にあり、3製品では NMN が検出されなかったとされています。製造の管理の書面と、中身を測った試験の書面は、別々に読む必要があります。
書面にある名義の事業者が、製品を売っている会社だとも限りません。名義の欄は工場を運営する会社で、販売者の欄の会社とは別の名前でもおかしくない。名前が違うことだけで、書面が手元の製品と無関係だとは決められません。
書面の有効期間も、名義の欄とは別に読みます。名義と所在地が手元の箱と合っていても、期間が切れた書面なら、今の製造の管理を示す根拠にはなりません。期間の欄は、名義の欄と同じ紙の上にあっても、別の問いに答える欄です。
- 示していないこと1手元の箱の中身がその工場で作られたこと
- 示していないこと2中身の量や純度が表示どおりであること
- 示していないこと3名義の事業者が、製品を売っている会社であること
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 適合の書面だけでは、どの製品のどのロットがその工場で作られたかは分からない
- 書面の名義の事業者と販売者の間で、製造をどう分担しているかは、欄からは読み取れない
手元の書面で、名義と所在地の欄をどう読めばよいか?
手元の書面では、名義と所在地を読み、次に箱の製造者の欄か製造所固有記号と見比べます。所在地が箱の製造所と一致すれば、その書面が手元の製品の工場を指していると読めます。
読む順番を決めておくと、欄が多い書面でも迷いません。最初に、書面の中で事業者の名称が書かれた欄を探し、それが書面を出した機関の名前ではなく、交付を受けた側の名前かを確かめます。次に、その近くにある所在地を読み、本社ではなく工場の住所かを見ます。三つ目に、手元の箱の裏で、一括表示の枠の最後にある製造者の欄を探します。製造所の住所が書かれていれば、書面の所在地と並べます。英数字の製造所固有記号しか無いときは、箱に書かれた照会先か、販売者に、その記号がどの製造所を指すかを尋ねます。最後に、書面の有効期間が、手元の箱の製造の時期を含んでいるかを見ます。
所在地が一致しなくても、すぐに食い違いとは限りません。
同じ会社が近くに複数の工場を持っていて、番地だけが違うこともあります。住所を並べるときは、都道府県と市区町村から順に見て、どこで分かれるかを書き出しておくと、販売者に尋ねるときに何がずれているかを一言で伝えられます。
書面と箱を見比べる作業は、一度きりで終わりません。箱のデザインが変わったときや、製造者の欄の名前が前と違って見えたときは、作る工場が変わった可能性があります。その時点の箱と、その時点の書面をもう一度並べると、名義と所在地が今も同じ工場を指しているかが分かります。
名義の会社名が箱のどこにも見当たらない場合は、販売者が製造を委託している形が考えられます。そのときは、販売者に、適合の書面の製造所と、手元の製品を作った製造所が同じかを、一文で尋ねると話が早く進みます。返事は、書面の名義と所在地の欄を指して答えてもらうと、自分の手元の書面と照らし合わせられます。
- 名義書面を出した機関の名前と取り違えていないか
- 所在地本社でなく工場の住所か
- 照合箱の製造所の住所か固有記号と、書面の所在地を並べたか
- 期間有効期間が手元の箱の製造の時期を含むか
- 手順1|交付先の名前を探す|書面を出した機関ではなく、交付を受けた事業者の名称の欄を見つけます。
- 手順2|所在地を読む|書かれた住所が本社か工場かを確かめます。
- 手順3|箱の製造者の欄を探す|一括表示の枠の最後にある製造者か製造所の欄を読みます。
- 手順4|所在地を並べる|書面の所在地と箱の製造所の住所、または製造所固有記号の照会結果を並べます。
- 手順5|有効期間を見る|書面の有効期間が、手元の箱の製造の時期を含むかを確かめます。
- 手順6|販売者に一文で尋ねる|一致が読めないときは、書面の製造所と手元の製品の製造所が同じかを尋ねます。
名義と所在地の欄がある書面と、無い書面は何が違うか?
名義と所在地の欄がある書面は、どの工場の話かを自分で特定できます。欄が無い表示やマークだけでは、製造の管理が見られていることは分かっても、対象の工場までは結び付けられません。

製造に関わる情報は、置かれる場所ごとに、特定できる範囲が違います。箱の正面のマークは、外部の基準で製造の管理が見られていることを知らせますが、工場の名前は書かれていません。国内製造の説明書面は、作った国を示し、工場の名前までは扱わないことがあります。適合の書面の名義と所在地の欄は、工場を一つに特定します。箱の製造者の欄か製造所固有記号は、手元の製品を作った工場を指します。この最後の二つが同じ工場を指したとき、初めて、製造の管理の話と手元の箱の話がつながります。どれか一つだけでは、つながりの片側しか見えません。
書面の写しが手に入らない場合でも、箱の製造所の欄と、販売者の返事を並べれば、半分までは確かめられます。
並べた結果は、短いメモに残しておくと次の購入で役に立ちます。書面の名義、書面の所在地、箱の製造者の欄、照合した日付の4つを書いておけば、次に箱を手にしたとき、製造者の欄が前と同じかどうかを数秒で見比べられます。製造者の欄が変わっていたら、作る工場が変わった合図として、書面の名義と所在地をもう一度確かめます。
| 見る場所 | 工場の特定 | 分かること |
|---|---|---|
| 箱の正面のマーク | できない | 製造の管理が外部の基準で見られていること |
| 国内製造の説明書面 | 書き方による | 作った国 |
| 適合書面の名義と所在地の欄 | できる | 管理が確かめられた工場がどこの誰か |
| 箱の製造者の欄・製造所固有記号 | できる | 手元の製品を作った工場 |
自社調べ。当社の箱の表示、国内製造の説明書面、食品表示の決まりをもとに整理しました。書面の欄の書き方は、書面を出す機関や製品ごとに違います。
よくある質問
- 適合書面の名義が、売っている会社と違うのはおかしいですか。
- おかしくありません。名義の欄は工場を運営する事業者の名前で、製造を委託している製品では、売っている会社と別の名前になるのが普通の形です。
- 所在地の欄の住所は、本社の住所ですか。
- 適合とされた工場の住所です。適合は製造所ごとに出るので、本社とは別の場所が書かれていることがあります。
- 書面の名義と箱の製造者が同じなら、中身も確かですか。
- 名義と所在地の欄が示すのは、その工場の製造の管理が確かめられたことまでです。中身の量や純度は、試験の書面で別に確かめます。
- 箱に製造所固有記号しか無いときは、どう見比べますか。
- 箱に書かれた照会先か販売者に、その記号がどの製造所を指すかを尋ね、返ってきた製造所を書面の所在地と並べます。
- 当社の箱には、製造について何が書かれていますか。
- 箱の正面に、国内GMP水準の製造管理(JIHFS)を示す第三者のマークがあります。製造の場所は、国内製造の説明書面で 日本国内で製造・充填 と説明しています。
- 適合書面の写しは、どこで手に入りますか。
- 書面は工場の運営者に交付されるので、販売者に写しを求めるのが入口です。名義と所在地の欄を示してもらうと、手元の箱と見比べられます。
この記事について
出典
- 食品表示法・食品表示基準(消費者庁)に基づく表示責任者の表示と、製造所の所在地・製造所固有記号の表示
- GMP適合のマーク(JIHFS)/製品パッケージ正面の第三者のマーク(国内GMP水準の製造管理(JIHFS))
- NMN国内製造説明(自社書面)― 日本国内で製造・充填
- Sandalova et al., GeroScience, 2024(18製品の測定で表示との乖離が +28.6% から -100%、3製品は NMN が検出されなかった)
関連する記事
名義と所在地の欄から一歩進むなら、認定範囲の欄、箱の表示責任者の欄、製造所固有記号、書面の並べ方が近い入口です。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、かかりつけの医師にご相談ください。
※当サイトはSOPHIA Lab公式サイトです。記事内で紹介する製品はSOPHIA Lab製品です。