結論
成績書の末尾の但し書きは、上の数値がどの範囲の記録かを区切る文言です。数値の大きさそのものは、但し書きからは分かりません。数値の欄と但し書きを1行ずつ照らし合わせて、記録の範囲を手元で確かめます。
この欄には、実際に何と書かれているか?
当社が保管している成績書には、欄の下と紙の末尾に、合わせて4つの但し書きが置かれています。4つが上の数値をどう区切るかは、文言を写しただけでは分かりません。文言は下の書き起こしで、原本と同じ順に1つずつ読み取れます。

原本の上から順に、但し書きにあたる文言を書き起こします。1つ目は、供試品の欄の下にある『検体に関する附帯事項』の欄の、さらに下に小さく置かれた「※検体に関する附帯事項は、当法人が証明する事項ではありません。」です。2つ目は、試験成績の表と試験方法の行を書き終えた右端の「以下余白」です。3つ目は、紙の最下段の左寄りにある「この試験成績の内容を転載する場合は、本法人の承認を得てください。」です。4つ目は、同じ最下段の右端にある「( 1 枚中 1 )」です。1つ目は欄の値に、2つ目と4つ目は書面の範囲に、3つ目は書面の使い方にかかります。
但し書きと対になるのが、上部の証明文です。逐語は「2020 年 12 月 25 日 当法人に依頼された供試品について試験した結果、下記のとおりであることを証明します。」で、証明の対象を依頼された供試品に絞っています。発行日は2021年1月12日、証明書番号は第 320G039306-001 号、発行者は一般財団法人 日本食品検査 首都圏事業所です。
試験成績の表は1行だけです。試験項目がニコチンアミドモノヌクレオチド、試験結果が 99.9、単位が %、検出限界の欄が横棒、試験方法が高速液体クロマトグラフ法と読めます。製品の表示では、この記録をもとに高純度NMN(純度99.9%)と書いています。
書面には転載に発行機関の承認が要ると明記されているため、この記事では書面の画像を載せず、文言を文字で書き起こしています。附帯事項の欄の値は、注記のとおり発行機関が証明する事項ではないため、この記事では値に立ち入らず、注記の読み方だけを扱います。
| 原本の位置 | 但し書きの文言 | かかる先 |
|---|---|---|
| 附帯事項の欄の下 | ※検体に関する附帯事項は、当法人が証明する事項ではありません。 | 附帯事項の欄の値 |
| 試験方法の行の右下 | 以下余白 | 記載の終わり |
| 最下段の左寄り | この試験成績の内容を転載する場合は、本法人の承認を得てください。 | 書面を写して使うとき |
| 最下段の右端 | ( 1 枚中 1 ) | 書面の枚数 |
自社調べ。保管している試験成績証明書1通の原本から、但し書きにあたる文言を位置ごとに書き起こしました。書面の画像は載せていません。
この欄は、何を意味しているか?
4つの但し書きは、証明の範囲、記載の終わり、写して使うときの決まり、書面の枚数を示しています。数値が依頼された供試品以外にも当てはまるかは、但し書きからは言えません。それぞれがどの欄にかかるかは、位置を見比べて確かめられます。
1つずつ意味を読みます。附帯事項の注記は、欄に書かれた値を発行機関が確かめて証明したのではない、という証明の範囲の線引きです。発行機関が証明しているのは試験成績の表の値で、附帯事項の欄はその外に置かれています。以下余白は、記載がそこで終わることを示す書き方で、後から行を書き足されないようにするための慣行として使われます。この書面では試験成績の表の1行と試験方法の1行のあとに置かれ、書面が測った項目がその1つであることを示します。転載の注記は、書面の内容を別の場所に写して使うときに、発行機関の承認を求める決まりです。1枚中1は、書面の全体が1枚であることを示し、ほかのページが抜けていないかを読み手が確かめる手がかりになります。
4つの但し書きは、上の数値を強めも弱めもしません。数値をどこまでの記録として読むかを決める、枠のような役目の文言です。
証明文の『依頼された供試品について』も、枠の1つとして働きます。但し書きと証明文を合わせると、記録の範囲は依頼された供試品の、表に書かれた1項目、という形に定まります。
4つのうち、数値の読み方に直接かかるのは以下余白と証明文です。附帯事項の注記と転載の注記は、欄の値と書面の使い方にかかります。
但し書きは、どれも小さな文字で、表や証明文から離れた場所に置かれています。目立たない位置にあるのは書式の慣行で、軽い文言だからではありません。数値の大きさに目が行ったあとでも、末尾まで下りて読むと、数値の枠が紙の上でそろいます。
- 附帯事項の注記欄の値は発行機関の証明の外にある
- 以下余白記載はここで終わる。測った項目は表の1行
- 転載の注記内容を写して使うときは発行機関の承認が要る
- 1枚中1書面の全体は1枚
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 但し書きの言い回しが、発行機関の中でいつから同じ形で使われているかは、書面1通からは分からない
この欄は、何を意味していないか?
但し書きが示すのは、書面の読み方の決まりと証明の範囲です。手元の箱の中身が同じ値かどうかは、但し書きからは分かりません。箱のロット番号と書面の番号を手元に並べ、販売者に対応を尋ねて確かめます。
但し書きが言っていないことを、順に挙げます。転載の注記は、内容が正しいか誤っているかについての文ではありません。写して使う手続きの決まりです。附帯事項の注記は、欄の値が誤りだという意味ではなく、発行機関が確かめた範囲に入っていないという意味です。以下余白は、この書面に載っている項目が1つで終わることを示しますが、ほかの書面で別の項目が測られたかどうかまでは語りません。1枚中1は、この書面が1枚で完結していることを示すだけで、同じ製品についてほかの書面が無いことを示すものではありません。4つのどれも、試験に出した供試品と、店頭や通販で手に取る箱との関係には触れていません。
市販製品を外部が測り直した報告では、表示と中身の差が製品ごとに大きく開いた例があります(Sandalova et al., GeroScience, 2024)。書面1通の数値を、その製品のすべての箱の値として読まないための手がかりが、証明文と但し書きの範囲の線引きです。
但し書きに書かれていないことを推し量って埋めると、書面が示していない範囲まで示したように読めてしまいます。書かれていないことは、書かれていないと控えておきます。
書面を読んで残った問いは、そのまま販売者への問いになります。どの箱のどの番号が、この書面のどの記載に当たるのかを尋ねます。
- 転載の注記内容の正誤についての文ではない
- 附帯事項の注記欄の値が誤りだという意味ではない
- 以下余白ほかの書面で別の項目を測ったかは語らない
- 1枚中1ほかの書面が無いことは示さない
この記事で扱わないこと・分かっていないこと
- 試験に出した供試品と、手元の箱の中身が同じ製造単位かどうかは、但し書きからは分からない
手元の書面で、この欄をどう読めばよいか?
手元の成績書は、上の数値を読んだあとに末尾まで下り、但し書きを1つずつ数値の欄に戻して読みます。但し書きの言い回しが発行機関ごとに同じかは、言い切れません。文言をそのまま写し取り、どの欄にかかるかを手元で照らし合わせます。

読む順番を書きます。1段目は、証明文で証明の対象を読みます。依頼された供試品と書かれていれば、記録の範囲はその供試品です。2段目は、試験成績の表で項目と値と単位を読みます。3段目は、表の下で以下余白のような記載の終わりの文言を探し、表の行数を数えます。4段目は、供試品や附帯事項の欄の下に小さな注記がないかを見て、注記がかかる欄に印を付けます。5段目は、最下段で転載の決まりと枚数の表記を読み、枚数がそろっているかを確かめます。6段目は、読み終えた但し書きを、数値の欄の横に1行ずつ書き添えます。書き添えた控えは、数値だけを抜き出した控えより、後で読み返したときに範囲を取り違えにくくなります。
販売者から受け取った書面が写しの場合は、写しにも最下段の文言と枚数の表記が残っているかを見ます。最下段が切れている写しは、書面の全体を読めていない可能性があります。
注記の文言は言い換えずに写します。言い換えると、どの欄にかかる文言だったかが後から分からなくなります。
6段を終えたら、但し書きで範囲が定まった数値と、範囲がまだ定まらない問いを、別の行に分けて控えます。
- 1. 証明文|証明の対象が依頼された供試品かを読む
- 2. 試験成績の表|項目、値、単位を読む
- 3. 記載の終わり|以下余白を探し、表の行数を数える
- 4. 欄の下の注記|注記がかかる欄に印を付ける
- 5. 最下段|転載の決まりと枚数の表記を読む
- 6. 書き添える|但し書きを数値の欄の横に1行ずつ添える
この欄がある書面と、無い書面は何が違うか?
但し書きがある書面は、証明の範囲と記載の終わりを、紙の上で読み取れる書面です。但し書きの無い書面が範囲を広く証明しているとは、言えません。2通の書面を並べ、範囲が書かれている場所を見比べます。

表は、但し書きの有無で、読み手が紙の上で確かめられることがどう変わるかを並べたものです。但し書きが無い書面では、記載の終わりや枚数を読み手が確かめる手がかりが減り、範囲は販売者や発行機関に尋ねて補うことになります。有る書面が優れているという順位の表ではなく、どこまでを紙の上で読めるかの違いを示す表です。
書面を並べるときは、発行者、証明書番号、証明文の対象、但し書きの有無の4つを1行に控えると、どの書面で何が読めるかを見分けやすくなります。
但し書きの無い書面を受け取ったときは、記載の終わりと枚数を、発行機関か販売者に尋ねて補います。尋ねる文面は、証明書番号を添えて「この書面は何枚で完結していますか。表に載っている項目は、この行で全部ですか。」の2文で足ります。返事は書面の控えの横に、受け取った日付と一緒に残します。
| 確かめたいこと | 但し書きがある書面 | 但し書きが無い書面 |
|---|---|---|
| 欄の値を発行機関が証明したか | 注記で証明の外と分かる | 紙の上では分からず、発行機関に尋ねる |
| 記載がどこで終わるか | 以下余白で分かる | 行の終わりから推し量るしかない |
| 書面の全体が何枚か | 枚数の表記で分かる | 抜けたページの有無が分からない |
| 写して使うときの決まり | 転載の注記で分かる | 発行機関に尋ねる |
自社調べ。保管している試験成績証明書1通の但し書きをもとに、有無による違いを整理しました。
よくある質問
- 成績書の末尾の但し書きには、何が書かれていますか。
- 当社が保管している1通では、最下段に「この試験成績の内容を転載する場合は、本法人の承認を得てください。」と「( 1 枚中 1 )」があり、表の下に「以下余白」、附帯事項の欄の下に「※検体に関する附帯事項は、当法人が証明する事項ではありません。」があります。
- 但し書きは、上の数値の正しさに関わりますか。
- 数値を強めも弱めもしません。数値をどこまでの記録として読むかを区切る文言です。正しさについて語る文ではありません。
- 以下余白とは、何を意味しますか。
- 記載がそこで終わることを示す書き方です。当社の1通では試験成績の表の1行と試験方法の1行のあとに置かれ、書面が測った項目が1つであることが読み取れます。
- 附帯事項の注記は、欄の値が誤りだという意味ですか。
- 誤りだという意味ではありません。欄の値が発行機関の確かめた範囲に入っていない、という証明の範囲の線引きです。
- 書面の数値は、手元の箱にも当てはまりますか。
- 但し書きからは分かりません。証明文は依頼された供試品についての記録だと書いています。箱のロット番号と書面の番号を並べ、販売者に対応を尋ねます。
- 写しの書面を受け取ったときは、どこを見ればよいですか。
- 最下段の転載の決まりと枚数の表記が写しにも残っているかを見ます。最下段が切れている写しは、書面の全体を読めていない可能性があります。
この記事について
出典
- 一般財団法人 日本食品検査 首都圏事業所 発行 試験成績証明書(第 320G039306-001 号/2021年1月12日発行/試験方法:高速液体クロマトグラフ法)
- 製品の表示(高純度NMN(純度99.9%))
- Sandalova et al., GeroScience, 2024(市販18製品の実測とラベル乖離の報告)
- ChromaDex(2021)通販サイト上位NMN製品のラベル表示と実測値に関する調査
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。サプリメントの摂取については、かかりつけの医師にご相談ください。
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